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超一流防具鍛冶職人

みるく

[みるく]

キャラID
: UT055-558
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: まもの使い
レベル
: 140

ライブカメラ画像

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みるくの冒険日誌

2026-07-26 00:52:36.0 テーマ:シナリオ・クエスト攻略

撮影場所「不思議の魔塔 休息の間」

胃袋にもブレス耐性をください

 みるくは、薄桃色の半袖Tシャツに紺色のジャージをはき、冷房を十八度に設定した部屋でコントローラーを握っていた。テーブルには麦茶の水滴で丸い跡ができ、昼に食べた焼き鮭の皮が白い皿の隅に残っている。画面の中ではレベル四十五になったみるくがマタドール装備を抱えていたが、ブレス耐性をつけるための錬金酵素・緑が足りなかった。前に苦労して作ったブレス装備は、二十五階のボスに五回続けて負けた腹立ちに任せて、はがねのセットへ交換してしまっている。

「はがねなら名前からして頑丈そうでしょう。鉄より強そうだし、たぶん胃にも優しいはずです」

 ところが、はがねの装備にも必要な耐性はついていなかった。みるくは装備画面と素材一覧を何度も往復し、錬金酵素・緑の個数を数え直したが、三回数えるたびに違う数字になった。識字障害のせいで細かな文字が行ったり来たりし、注意欠陥多動性障害の頭は途中で倉庫の整理や麦茶のおかわりまで考え始める。自分の頭を拳で殴りたくなったものの、右手にはコントローラー、左手には麦茶のコップがあったので、物理的に実行できなかった。

「両手がふさがっていて助かりました。ゲームには事故防止機能まであるんですね」

 みるくは冷蔵庫へ行き、残っていた卵を二つ取り出した。フライパンに油を引いて目玉焼きを作るつもりが、黄身を割ってしまったので、箸で混ぜて炒り卵にした。台所の窓からは真夏の熱気が入り、首に巻いた白いタオルはすぐ湿ったが、醤油を少したらした卵はちゃんと食べられた。失敗しても別の料理になるのなら、装備だって作り直せばよいのではないかと考え、みるくは皿を流しへ運んだ。

「これは失敗ではありません。目玉焼きが炒り卵へ転職しただけです」

 ゲームへ戻ったみるくは、残っている材料を一度紙の帳面へ書き出すことにした。帳面には以前こぼしたコーヒーの染みがあり、その横に大きな字で「マタドール」「緑」「ブレス」と三行だけ書いた。全部を一度に完成させようとするから胃が縮むのであり、必要な素材を確認して、足りない分を集め、完成するまでは今の装備で慎重に進めばよい。レベル四十五まで戦った時間も、二十六階まで登った事実も、装備を交換したくらいでは消えなかった。

「ぎりぎりの材料で回すのではなく、ぎりぎりなら今日は回さない。これも立派な作戦です」

 画面の前に座り直すと、みるくの胃がきゅっと痛んだ。慌てて麦茶を飲み、焼き鮭の残った皿を台所へ片づけてから、ボスではなく素材を集められる相手を探した。ドクターストップを受けて魔塔から永久追放されるより、今日は一個だけ集めて終わるほうがいい。みるくは自分の頭ではなく、ジャージについた卵のかけらを軽く叩き落とした。

「胃袋にもブレス耐性がつけばいいのに。でも、その錬金酵素まで足りなかったら困りますね」

 そう言って笑った拍子に、胃の力が少し抜けた。マタドール装備はまだ未完成で、錬金酵素・緑も足りないままだったが、帳面には明日やることが三つだけ残っている。みるくは一戦だけ終えるとゲームを閉じ、冷蔵庫に貼った輪ゴムの束を意味もなく色別に並べた。二十五階で五回負けても二十六階へ進んだみるくなら、六回目の勝負を今日しないという判断くらいは、胸を張って選んでよかった。

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