「さあ、隠しているアクセ、出しなさい」^^
「お姉ちゃん、その前に質問!」
「何?」
「前々から思っていたんだけど…」
「んー?」
「お姉ちゃん、どうしてアクセ合成失敗するの?」
「はぁ?」
「はぁ? じゃなくてね。ほら見て? 私の竜のおまもり」
「これがどうしたって言うのよ」
「竜のおまもりは炎と光耐性がついているアクセじゃない? だったら合成することによって炎と光、どちらかの
耐性がつけばいいのよ、冒険者は。それなのに守備ついちゃったりするでしょ? 元々守備+5っていうのはあるけど
正直いらないし、失敗かな~って思う訳よ」
「……」
「お姉ちゃんさ、アクセにどんな効果がついても『うまいこといった~♪』って言うけど、みんな『うまいこといってな~い』
って思ってるよ?」
「合成出来たんだから、うまいこといってるでしょ?」
「え…。効果に対して言ってるんじゃなかったの?」
「違うわよ。合成出来た~ってことよ」
「ええぇぇぇ~~~~~」
「効果はアクセサリーの神様がお決めになるのよ」
「えっ!!?」(神様持ち出した!!!)
「私はアクセサリーの神様の使いなの」
「みんな、お姉ちゃんのウデのせいだと思っているけど?」
「まー、そうね。この世界でアクセ合成の技を取得しているのは私ただ一人だし、そう思われても仕方ないわね」
「お弟子さんでもとれば?」
「うーん」
「…何か問題でも?」
「私自身、もう少し伸びしろがあるような気がするから、もっと違う技を編み出したいのよね。それには弟子を
とって技を伝授している時間なんてないのよ」
「違う技?」
「まだ具体的なことは言えないわ」
「……」
「何よ。人の顔じーっと見て。私の顔に何かついてる?」
「何だか既得損益を守ろうとしているように思えたから」
「そんなことないわよ~。や~ね。人生日々勉強よ?」
「はいはい」
「で? あなたが合成したいのはこの竜のおまもりね?」
「!!?」
「な~に?」
「それ、もう4個合成済みだしこれ以上は出来ないでしょ?」
「何言ってるの? 新サービスを始めたの知ってるでしょ~?」
「へ?」
「さっき言ってた守備+がいらないんでしょお?」
「…うん」
「それじゃあ、外してあげるね~♪」
「え? あ、いや、待って!!!」
姉は私に有無も言わさず、持ち前の手際の良さで私の竜のおまもりについてしまった(と言うか姉につけられた)
守備+2を取り除きました。
「はい、で~き~た♪」
「あ、ありがとう」
「5,000Gになりま~す♪」
「え~~~~~!!!! お姉ちゃん、10億Gを1日で稼ぐんでしょ!!? 一回くらいサービスしてよ!!!
私の日給、お姉ちゃんの280万分の1なのよ!!!?」
「商売は商売だもの♪」
「うぅ…、ケチ…」
私はしぶしぶお金を払い、店をあとにしました。
最近、姉の銭ゲバぶりを心配せずにはいられなくなりました。
つづく