開発・運営だより -第13号-より
>もしもシステムがゴールドを消さなかったらどうなるか?
>世界にゴールドがあふれ返り物の値段が際限なく上昇
>アストルティア経済は崩壊
ある程度は同意しますが、「際限なく上昇」はしないと考えます
藤澤さんはドラクエ10のディレクターとなるまで、MMOをプレイしたことがないと言ってました
つまりMMOについては素人です
今回の経済の話は、誰かの受け売りだと推測します
たしかに、一般的なMMOでは、上記の経済状況になります
ですが、ドラクエ10では違うと考えます
一般的なMMOと、ドラクエ10では何が違うか?
・レアアイテムが、取引可能となっていない
・職人システムによって、「最強装備」が無限に作成できる
この2点です
まず、MMOにおいて、「モノの値段」を決める要素は何か?
それは「取引可能なレア装備」の存在だといえます
一般的なMMOでの「取引可能なレア装備」とは、めったに出現しないレアモンスターから、さらにめったにドロップしないアイテムのことです
ドラクエと違い、パーティで倒しても入手できるのは1人だったりしますので、まさしくレアです
ドラクエでの「取引可能なレア装備」とは、同じようにめったに出現しないモンスターである転生モンスターから入手できるアクセサリーのことでしょうか?
いや、違います アクセサリーは、コインボスから入手するものも含め、全て取引できないアイテムですので、除外されます
しいて言うならば、☆3に上級3大成功をつけた装備になるでしょう
一般的MMOのレア装備と、ドラクエ10のレア装備
この2つは何が違うでしょうか?
それは入手できるまでにかかる時間です
一般的なMMOのレアアイテムは、数週間どころか、1年かけても入手できない可能性があります
それに比べ、ドラクエ10のレアアイテム単純に錬金の成功率だけです
一定の確率で生産できます
ドラクエ10の職人については、1日の作成数に制限もありませんし、成功しやすさも影響しません
数をこなせばこなすほど確率が収束され、一定の割合、ペースでレア装備が量産できます
理論値とはいえど、所詮は数をこなせばできる量産品です
そういった意味では、ドラクエ10には「取引可能なレア装備」というものが存在しないのです
一般的なMMOであれば、レア装備はどんなことをしても手にしたい一品です
「殺してでも奪い取る」ような人気のアイテムです
一度出品されたら再度入手することができないかもしれないため、需要がたかまり値段が高騰します
値段が上がるのは、「レア」だからこそなのです
それに比較してドラクエ10のレア装備は、ほおって置いても次に出品されることがあるのがわかりきっています
まだあわてるような時間ではありません
また、職人からすると、レア装備は単なる「商材」です
売れなければ意味がありません
バザー出品枠には限りがありますので、ある程度の期間内に売れる値段設定となります
ありえないような値段になることはありません
さらに、バザーは競争です
今はレシピがレアではありませんので、どの商材であってもライバルがいます
ライバルより早く売り、儲けるために価格競争が行われます
新規のライバルが生まれないように、☆2以下を赤字で出品し、資本金がない職人が参入できないようにします
これによって☆3をある程度の割合で量産できる職人のみ生き残れる価格になります
錬金も同様ですね
上級錬金をある程度のある程度の数回転させることができる価格設定となります
つまり、生産コスト、レア作成率、失敗品の値段によって、成功品の価格が決まるわけです
アストルティア全体のゴールドが増えても、値段が上がる要素はないと考えます
値段を上げるには、生産コストを上げる必要があります
つまり、素材の値段を上げる必要があります
ですが、素材には店売り価格があります
どんなに世界のお金の量が増えても、店売り価格は変わりません
つまり基本的に、生産コストには上限があるわけです
例外として、バザー限定の素材そして、汗と涙の結晶があります
藤澤さんは、汗と涙の結晶が何万ゴールドにも上がるって言ってましたね
ですが、汗と涙の結晶の元となる装備は、店売り素材だけで作成できます
結晶が数万ゴールドになったら、装備生産なんてやめて、みんな結晶を作ります
そこまであがることはありえません
で、次はバザー限定素材です
これは高騰する恐れがあります
ですので、厳密には高騰する可能性がある装備品がありますが、限定的です
そんなわけで、システムのゴールドが増えたからといって、「際限なく上昇」はしないというわけです