ハタハタの冒険日誌

続き
※若干ウェディングイベントのネタバレを含みますので、まだの人は見ないほうがいいと思います





シラナミというキャラクターは、ウェディングイベントでの「悪役」です

シナリオライターとしては、シラナミに「悪役」としての「キャラ付け」を行い、プレイヤーから「こいつは嫌な奴だ」と思わせる必要があります
そのための手法として、シラナミにプレイヤーにとって「嫌な奴」と印象づけるセリフを言わせたわけです

問題は、このセリフがシラナミを「嫌な奴」と思う以上に、プレイヤーが「不快感」を持ってしまった点です

今までもシナリオにおいて、ドワーフのことを「カビ団子」「油粘土」とあらわしたり、竜族が５種族を「下等種族」と見下したりしている差別的なセリフがありました
こういったセリフでも、相手を「嫌な奴」と思ったでしょう（ドワーフの中には喜んだ人もいるでしょうけど）
ですが、今回のシラナミのセリフに感じる「不快感」とは別だと思います

「カビ団子」「油粘土」「下等種族」は、「アストルティア」の世界においての、「ドワーフ」や「５種族」に対してのセリフであって、「物語の世界」のキャラが、「物語の世界」の種族に対するセリフです
プレイヤーは、あくまでも「物語の世界」として、「自分自身を意識することなく」、読むことができます

「バツイチ」「不良債権」は、「現代用語」です
「物語」の中だけで終わることなく、「現実」に照らし合わせるからこそ、理解できるものです
「現実世界」を思い起こさせることによって、「物語の世界」のキャラクターを不愉快に感じさせる手法
いわゆる「メタ」な手法と言えます

これは、「勝ち組」「負け組」や、カンダタクエでの「無職」も同様です
現代と価値観が違うはずの「アストルティア」において、金がある存在が「勝ち組」という考え方が安易ですし、定職という概念があるかすらあやしい世界（ドラクエで職業と言ったら、戦士、僧侶、魔法使いとかでしょう）なのに「無職」にコンプレックスをもっているのも妙です
現代の価値観をキャラクターにもたせてしまっていると言えます


「バツイチの不良債権みたいな女のくせに」という文章には、「バツイチは不良債権と同様だ」という「思想」と、
そのような価値の低い「女のくせに」、「勝ち組」の自分に従わないのがおかしいという「思想」が入っています
これは、「物語の世界」の「思想」ではなく、「現代社会」の「思想」でもなく、シナリオライター固有の「思想」です

ですが、このままセリフを残してしまうと、NPC１個人のセリフではあるとはいえ、シラナミがこの「思想」を持つに至る「世界観」が「アストルティア」にはあるということにもなります

「勝ち組」の人たちは、「バツイチの女」を無価値と判断しているような差別主義的な「世界観」が、「アストルティア」にあると説明しているようなものです

「ドラゴンクエスト」はある種ブラックな要素が入っているとは思いますが、差別的思想を全面に押し出すのは、運営としてはデメリットにしかなりません
そのため、即座にセリフを削除したのは正解だと思います


正直、シナリオライターはそこまで考えていなかったと思います
シナリオライターが、自分の文章が「アストルティア」の「世界観」を作っているという自覚が欠如していたのでしょう

シナリオライターの能力の高さを表す指針として、いかに「物語」の世界に浸ることができるかがあると思います
「現実に引き戻させる」ような文章は使うべきではないと思います
シナリオライターの質が低かったのでしょう


もし、シナリオライターの質が高かったのなら、それはさらに問題です
あえて、「プレイヤー自身に不快感を与えることを目的に」文章を書いたということになります
プレイヤーに不快感を与えることを目的に、会社の作品を私物化したことになります
会社の作品の質を意図的に下げていることになりますので、造反と言っていいでしょう


誰なんでしょうね　この文章書いた人
今回は「思想」が色濃くでていますので、テキトーにプロファイリングします

「勝ち組」「負け組」に強い執着があり、「負け組」が反発してくることに不快感を感じている人
「勝ち組」である自分に対して、「負け組」が意見することを嫌っている人
ひかえ目で見た目が美しい女性に対して、コンプレックスを持っている人
「結婚」という行為にある種否定的な感情を持っているということは、逆に結婚を強く意識しています
さらに、「バツイチの女」を見下しているということは、比較対象になりうる「結婚適齢期以降の未婚の女性」かな

スクエニで、該当するシナリオライターは…