この物語は人気上昇中の「異世界もの」をドラクエ風に執筆したものです
実際の設定や仕様とは異なる場合があります
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瓦礫の魔物は地面を叩きながら立ちはだかっている
(威嚇しているのかな?)
『ぷぅー』
プルーンが魔物に向かってのしかかる
どしん、どしん・・・・ど・・しん
少しだけど動きが鈍ったように見える
「えぃ!」
すかさず私は瓦礫の切れ目にナイフを差し込んだ
ばーたん!
瓦礫の魔物は崩れ去った
「やった!?」
しばらく様子を見たけど動き出す気配はない
『もう・・・安心』
「プルーンすごいよ! なんで大きくなれるの?」
『わか・・・ない でも・・・まも・・・思った』
「そっか・・・その気持ちのせいかな?」
クラハさんは波長と言っていたけど信頼なのかも
次の町は少し都会的な場所に見えた
(すごい・・・最初に行ったのより広い)
プルーンは、あの後元の大きさに戻った。町に入るから肩に乗ってもらう
人々が往来するなら歩くと何人かの視線を感じる
(やっぱり珍しいだ)
クラハさんの情報は”確か”みたい
やがて商店街へと行きついたので店を覗いてみる
(わぁ・・・たくさん)
品ぞろえは前の町よりも豊富みたい
「おや? お嬢さん、珍しい子を連れてるね」
お店の人が声をかけてきた
「あっはい、友達なんです」
「ほう?」
お店の人に簡単に経緯を教えた
「なるほどね・・・それで、その子が肩にいるんだね」
「はい・・・町の人に襲われてしまうので」
「なら・・・これはどうだい?」
お店の人は衣のようなのを持ってきた
「これは?」
「テイマーが、よく使う使役具の仲間だよ
大半は指輪なんだが・・・君の子ならこの方がいいだろう」
確かにプルーンは体の形状が無いから身につけるしかない
お店で買った衣をプルーンにまとわせる
『ふわ・・・ふわ』
「これをまとっていれば町で離れても平気なんだって」
プルーンを肩に乗せる必要がないのは助かる
しばらく歩いていると人の出入りが多い建物が目についた
(賑やかだね。なんの建物だろう)
建物に入ると壁に、たくさんの張り紙があるのに圧倒された
読んでみると、何かを募集しているみたい
薬草採取から魔物討伐まで内容は様々。出来そうなのは薬草でしょうか
「すみません、張り紙の事なんですけど」
受付らしき人へ声をかける
「君は・・・テイマーかな? ここは初めてかい?」
「そうです」
「それじゃ登録するから・・・この紙に書いてほしい」
受付の人が出した紙に私の名前などを書き入れた
「・・・よし、問題ないね。それでサクラさんは何を受けたいのかな?」
「薬草採取ならできると思います」
「じゃぁ、この本と同じのを採ってきてほしい」
受付の人は植物が写った一枚の写真を見せてきた
「どこら辺にあるんでしょうか?」
「そうだね・・・・町を出て・・・・」
受付の人は、よく見かける場所を教えてくれた
「わかりました。早速、採ってきますね」
「頼んだよ」
町を出て教えられた場所へ、たどり着いた
「この辺りにあるはず・・・プルーンも探してね」
『ぷう』
辺りを歩き回り薬草を集めていくと、ひと山くらいの量になってしまった
「集めすぎたかな? 多い方がいいとは思うけど」
町まで、どうやって運ぼうか
『はこぶ?』
「町へ持っていきたいんだけど持ち切れないよね」
『ぷぅううう』
するとプルーンが薬草を包み込み、集めた山が消えてしまった
「わ! プルーン?食べちゃだめー」
『だい・・じょうぶ。運ぶ』
「食べてないの?」
不安ながらも町へと戻り、先ほどの建物へ入る
「すみませーん。採ってきました」
「おかえり、サクラさん。薬草をみせてくれないか?」
「はい・・・プルーン?出して」
『ぷぷぷ、ぷぅ』
受付の前に薬草の山が出現した
「こ、この量を採って来たのかい?」
「はい、プルーンとですけど・・・」
受付の人は驚いた顔をしている
「サクラさんの魔物はすごいな、報酬にも色を付けておくよ」
予定よりも多かったのか報酬を多めに貰えた
「いいんですか?」
「当然さ、次も期待してるからね」
プルーンが物を運べるなんて思いもしなかった
これもコミュスライムの特徴なのでしょうか
(明日は別の依頼を探してみようかな)
薄暗くなるなか、宿へと向かい明日の事を考える私だった
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続く?