名作アニメ劇場60
「 わぁ~~~ いい風! 」
ナウシカを捉えた上昇気流は、メーヴェのみならず彼女の心も高揚させた。
眼下の景色が小さくなるにつれ、今も広がる腐海の森、トルメキア国の台頭という懸念も遠くに追いやられる。
ナウシカは蒼穹が好きだった、
地上の些事に悩まされることも無く、王女と言う地位も忘れられる。
それだけではない。
気が付くとその心は、腐海と世界の謎に対する深い洞察に包まれていた。
「 いつか腐海の謎を解いて、人々を救いたい 」
(すこし変わった娘)
そう陰で呼ばれていることも、ナウシカは知っている。
でもそれは、大空を翔けながら俯瞰して物事を捉えられる、風使いならではの得難い特質なのかもしれない。
「 ? 変ね?? 」
と、感じる間も無く心地良かった風は、突如荒れ狂う上昇気流となってメーヴェを翻弄する。
周りの空気が薄くなるのを感じる。
さすがの風使いも希薄な空気を操ることはできず、このままでは失速、そして避けようもない墜落と言う未来。
それでも懸命にフラップを操作するナウシカの目前に、上昇気流によって生まれた入道雲が巨人の様に進路に立ち塞がる。
しかし彼女は見た。
雲の中で踊る稲妻をまとう、とてつもなく巨大な城塞の姿を。
「 あ、あれはこの作品の次に公開されて、ジブリの名を不動にした・・・・・・・ラピュタ!
すごいぞ! ラピュタは本当にあったんだ!! 」
残り少ない燃料を爆発させ、ナウシカはラピュタに強硬着陸。
翼の折れた愛機を失う代わりに、ナウシカは一命を取りとめた。
「 これでもう後戻りは出来ないわね 」
ナウシカは王府に歩みを進めて行く。
驚くべきことに、城内は失われた技術が今も息づいていた。
命無いゴーレムが働き、格納庫にはガン・シップが整然と待機している。
「 地上の残滓とは比べ物にならない。この力があれば、あの嫌なクシャナにも一泡吹かせられるわね 」
小国の王女だったナウシカは知らない。
強大な力は人を変えてしまうことを。
膨大な知識の蔵にもナウシカは魅了された。
そこで、ある歴史を紐解くことで彼女の未来は決定的に変わる。
「 私は、このラピュタから地上に降りた人々の末裔だった 」
「 つまり、私こそがこの城の正統な後継者 」
「 私の使命は、この城を治めて地上の民を正しく導くこと。 力はそのために与えられしもの 」
やがてナウシカは王を僭称する。
「 私の名は、ネネシカ・パロ・ウル・ラピュタ 」
ナウシカ、いやネネシカはさらに変貌を遂げる。
「 地上の人間か。 ふん。ゴミのようねね 」
To be continued "Laputa Castle in the Sky"?
1枚目の写真で4日のお知らせ広場に投稿しましたねね( `ー´)ノ
Special Thanks
カワサキ様 メーヴェとラピュタハウジング
あおばプロダクション様 ムスカ