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俺はアキーラ。僧侶だ。
もうすぐ暑い時期になるが、俺はこのマスクを取る事が出来ない。
なあに、心配しなくてもいい。そんな訳ありじゃあないさ。ニキビがあまりにも多いだけさ。
どうやら今、大魔王ゾーマの再演とか言うイベントが流行っているようだ。
この時期になると、ルイーダという女性から強制的に連行されてしまう。
「楽しいイベントが来るから、手伝って」と。
でも正直、俺はこのイベントに参加するのが苦手だ。
俺はあいつ、ゾーマの事は熟知している。
何度も戦った。何っ回も戦った。
なんなら飽きた。アキーラじゃない、飽きーただ(?)
でも、飽きた事が理由ではない。
このイベントには、最後に「罠」があるんだ。
その罠にかからない冒険者達と巡り会いたいものだ…
ーーー
ん…?
ああ、ほら。噂をすれば次の挑戦者たちが来た。
えっと…
一人目は…がちふわアマゾネスのことり、か。
がちふわとは何だろうか…?強そうだ。
二人目は…超万能型賢者のライミィ、と。
おいおい、なんだか今回は強そうだな…?
三人目は…石ころ勇者シルフィー、と。
うん、雑魚だなこいつは。わかる、雑魚だこいつは。
今回は勇者を除き、強力な面子が揃ってしまった。
ふふ…少しは楽しめそうじゃないか。
ーーー
さて…いよいよゾーマとの戦いが始まるみたいだ。
…だが、
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…何をしている?
ああ、あの石ころ雑魚勇者が怠けているのか。
そこ多分大魔王が鎮座するところだぞ、やめておけ。がちふわアマゾネスと超万能型賢者も大変だな…。
さて、茶番は終わりだ。
俺はいつもの仕事に取り掛かる…。
ーーー
ふぅ、今回もあっけなく終了。
さすがはがちふわアマゾネス、あいつの特技にあわせてチャージタックルをキメこんでいた。
超万能型賢者もなかなかやるな。使える呪文をまんべんなく使いこなしていた。俺が出る幕も無かった。
…あの石女は何をしていた?
まぁいい…さっさとここから出よう。
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外に出ると、彼女達は各々の服装へと戻っていた。
なんだ、全員可愛いじゃないか。
あの石女も、こうやって見てみると可愛らしい。
ん…上に登って写真を撮る…?
………。
そうか…、君たちも「それ」をしてしまうんだな…?いいだろう。君たちが「罠」にかからない人物だと
証明してくれ。
ーーー
「おっけー!ありがと!」
「ありがと~」
「よし、じゃあ出よっか!せーの…っ」
え…?
あ!待って!!
………。
やはりこうなってしまった。
そうだ。このイベントは最後、ほとんどの確率で、
入り口の上に登り、集合写真を撮る。
そして全てを終えて、あとは脱出するだけなんだが、坂を下るのが面倒で皆、そのまま飛び降りるんだ。
だが…思ったよりこの地面は堅い。超堅い。
慣れていないものが高所から飛び降りれば無事では済まないのだ…。
はぁ、やはりこの子達も最後に潜む罠にかかって
命を落としてしまった…。
俺はこの運命を何度も辿ってきている。
何度もこの光景を目にしている。
きっとルイーダのいる酒場に戻れば、新たな冒険者達を紹介されるのだろう。
お願いだ…次の挑戦者達よ。
この罠にかからない事を…俺は願っているよ。
ーーー ーーー ーーー
おわりに
おしるです!ゾーマ再演おめでと~?
報酬増えてやる気あっぷでした!楽しかった笑
アキーラ君も頑張ってくれたので日誌にしてあげました!!読んでくれてありがとう☆