これで、賢者の資質シリーズはお終いです。
( *'ω'*) 『 ルナナさん。あなた先日、ヒストリカ博士の元を訪れていましたね? 』
( ಠ益ಠ) 『 …どうしてそれを… 』
アーニアの言葉を拾い、ディードが言葉を続ける。
( ╹_╹) 『 この古文書が持ち込まれた時。内容がリンジャハルの事に言及されている事から 』
( ಠ益ಠ) 『 … 』
( ╹_╹) 『 私達は、直感で判りました。あぁ、これはヒストリカ博士の研究材料なのだと 』
( ಠ益ಠ) 『 … 』
( ╹_╹) 『 確信をしたのは、写真と証言の「間違い」を見つけた時でした 』
( ಠ益ಠ) 『 … 』
( ╹_╹) 『 そしてルナナさんが訪れる前。予め、ヒストリカ博士に確認させて頂いてたのです 』
( ಠ益ಠ) 『 そんなの反則じゃないっ!! 』
ルナナの顔が、瞬く間に真っ赤に染まる
もはや彼女に、対抗する材料は無いようだった。
( ಠ益ಠ) 『 何よ…”このこ”… 腹立たしいっ! もういいわ!こんな所!他で売るから! 』
指摘を有耶無耶にし、立ち去ろうとするルナナに、
一部始終を見ていたティーザ院長が、間延びした声をかける。
『 まぁまぁ。ルナナさん。もう良いでしょう。 どうやらその書籍は、あなたの持ち物では無いようですね 』
『 恐らくルナナさんは「拾われた」のでしょう。 どうでしょう?このまま王立研究院に預けていかれては? 』
『 持ち主が判らず、ルナナさんもお困りでしょう。如何ですか? その拾得物は、こちらに置いていかれては? 』
優しくも、白々しい論理。
相手を完膚なきまで叩きのめすのではなく、1カ所の逃げ道を残しておく。
論戦の基本だ。
ルナナは苦々しい顔で3人を眺める。
( ಠ益ಠ) 『 ふんっ!もういいわ!こんな本。興味無いから! こっちからお断りよ! 』
そう吐き捨てると、ルナナは机の上に本を叩きつけ、そそくさと部屋を出ていく。
犯罪者として通報されてもおかしくない状況。彼女にとって、受け入れるしかない、和解案であった。
ルナナが去った後。
ティーザは満足げな表情を浮かべ、アーニアとディードに声をかける。
『 ふむ。二人とも見事であったな 』
『 特に、ディードの洞察力。あの間違いに良く気が付いたものだ 』
『 間違い探しは「知の隙」を見つけること。知の隙さえつけば、相手の論点は脆い砂の塔と同じじゃ 』
『 この知の隙こそ穿つ、洞察力こそ。 賢者にとって必要な「資質」なのだよ 』
アーニアとディードは、その言葉に頷く。
普通の人が見ると白熱した論戦も、彼らにとっては課外授業の一つでしかなかったようだ。
見ると、ディードは。自らのバッグの中から、新たな写真を取り出し始めた。
( ╹◡╹) 『 先生、まだ間違い探しの写真はありますよ。今日は「知の隙」を学ぶ時間に当てませんか? 』
( *'ω'*) 『 あ、いいね!ディード! それとってもいいアイディア! 』
先程までの張り詰めていた空気が、嘘のように和らぐ。
二人の可愛い教え子の言葉に、ティーザの頬も緩んだのであった。
~Fin~
<あとがき>
如何でしたでしょうか。
ディードさんをモチーフにした、『 賢者の資質 』 シリーズ。
相変わらず、長くなっちゃいましたwww ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ダメネ
あたしはアマチュアなので、趣味の範疇でしかないですけど。
いつもご覧頂いている皆様に、そしてビーチフラッグにご参加頂きました皆様に。
少しでも感謝の意を表したくて、結構全力でこのイベントの物語は書いていたりします。(雑文ですが)
ちょっとでも、冒険日誌に触れる事で 『 こんな楽しさが得られるんだ! 』 という
気持ちが皆様にも味わって頂けるのであれば。
それに代わる喜びはありません。
さぁ、400話記念イベントもこれでお終い。
次は、交流会ですね。 (✪‿✪)
皆様に、暑い太陽の降り注ぐ海岸でお会い出来る事を、心より楽しみにしております。
~Fin~
※ 2014/8/13 Written by meir