我が団の当面の目標は、
【旅団員を中心とした災厄の王の討伐】である。
当初は、団の主戦力である、
副長【アストレイ】
切り込み隊長【カタキラウワ】
そして、おれこと、団長【ザラターン】
当面はこの3人が討伐できれば良しとするか、
と、思っていたのだが、
この数ヶ月で、団員の一人【ユルセルーム】が、
めざましい成長を遂げ、
主戦力として活躍できるようになっている。
恐らくは、
もはや災厄の王相手でも、問題なく戦い抜くことができるだろう。
ということで、ユルさんも晴れて、
討伐隊の一員として抜擢されることになった。
そしてー・・・
この討伐に、もう一人、名乗りをあげた人物がいる。
旅団員の、練金大使にして戦士【クレイス】。
彼女は、チーム創立に携わった冒険者の一人なのだが、
強くなることに特に興味を示さず、
楽しみたいときに、気ままに好きなように冒険に繰り出す、
いわゆる【ライトな】冒険者である。
(※ 厳密には、ちょっと違うような気もしますが;w)
当然、災厄の王になど興味は示さない、と思っていたのだがー・・・
しかし、団長の贔屓目かもしれないが、
彼女には、戦いの才能があると思っている。
強敵との戦闘経験は少ないはずなのに、
初見でVロンのジャンプタイミングを掴んだり、
気まぐれに参加した強蜘蛛戦にて、
【たいあたり】のタイミングを一戦のうちにモノにしたりしている。
最近では、怠り気味だった基礎体力(※HPパッシブ)の強化も、
他の団員と遜色無いほどに成長したこともあり、
災厄の王相手にも、もしかすると互角にやり合えるのではないか、と
思わせるモノを持っている(気がするw)。
今は、彼女はユルさんと二人で、
時の王者としての資格を得るべく、
世界各地を奔走しているところだ。
決戦の時は、おそらく遠からずやってくる。
ライトなクレイスさんに対して、
おれにできることは何かないか、と
思案を巡らせていると、
一つだけ、カッコ良く貢献できそうなことがあった。
☆ ☆ ☆
はい、それが、【オニキスの魔剣】の制作だったということですw
今まで2回、失敗して材料を溶かしたという醜態を、
日誌で晒したと思うが、
実は昨日、また溶かしました;;
この剣を打つにあたって、用意した、
【奇跡の鍛冶ハンマー小】の使用回数は5回。
ならば、せめて、現物を造るか、
これを使いきるまでは挑戦しよう。
もはや誰のためでもない、おれ自身のためだ。
思えば最初から、この戦いはただの、アホな男の意地であった。
またコツコツ資金集めから始めるか、と
気持ちを切り替えて今日に至ったわけだが、
なんと、今日の福引きにて、おれは
【ドラゴンガイアコイン】を引き当ててしまう。
魔竜【ドラゴンガイア】は、ウチの団では、
まだまだ相手にできない強大な相手。
ならば、コイツは売り払って、オニキスの剣を打つ資金にする。
売上金を持ってバザーに行ったとき、
もはや、自分で打つのはもう諦めて、
+2くらいのオニキスを買って、プレゼントした方が
よほどいいのではないか、と、
5分くらい悩み続けていたが、
結局は、武器鍛冶職人としての最後のプライドが、
おれの背中を押した。
気合いを入れ直すため、
屋根裏でほこりをかぶっていた、
武器鍛冶職人の仕事着に袖を通す(帽子はないけどね;)。
奇跡のハンマーに願いを託す。
集中力+発動しますように!!!!
願いむなしく、そんな効果は発動しない。
だが、今回は、一番下の地金が、少しやわらかいきがする。
この期を逃してなるものか!
良いところで会心が入る。
行ける・・・今回こそは、完成させられる!!
と、最後の最後で、集中力が足りなくなり、
2倍ターンで半減打ちができず、一カ所はみ出してしまう;
せめて☆1つ付いて、と願うも、
結果は容赦なく☆無し。
だが、取りあえずは完成した。
ものっすごい格好悪いが、
幻影殿の言葉を借りるなら、
この剣でも、災厄の王の装甲を貫いて、
ロストアタックを入れることくらいはできるだろう;
これまでにかかった素材を計算する。
結晶だけで、300個。
おれは即座に計算をやめた。
しばらく鍛冶はしたくない;;
まあ、納品依頼はやるけどね;w
しょっぼい剣ですが、
次の武器までのつなぎにでも使ってやって下さい;;
~~~FIN~~~