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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 133

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ザラターンの冒険日誌

2013-10-08 02:20:44.0 2013-10-08 19:33:47.0テーマ:その他

アストルティア百鬼夜行 第3夜 【ノーライフ・アライブ】

~~~出典・天空の花嫁~~~



とある平原。晴れ渡る空の元、
馬車を引いて、あてのない旅を続ける、二人の冒険者がいた。


一人は、若草色の髪を、眉の上でプッツリと切りそろえている、
活発ながらも、どことなく高貴な雰囲気を漂わせている若者。

もう一人は、
まるで初夏の午後に吹く、そよ風のような、穏やかな目をした青年。
無造作に伸びた黒髪を頭の後ろで束ね、紫のターバンで覆っている。




☆              ☆               ☆ ☆               ☆              ☆




『誰とでも仲良くなれる奴だとは思ってたよ・・・』



若草色の髪の青年は、嘆息しながら、呆れ顔でつぶやいた。
言葉は、腐れ縁の、相棒に向けられたものだ。


相棒のターバンの青年は、にこにこしながら頷いている。
自分の皮肉めいた言葉を、
全く意に介していないようにも見える。


『だがな・・・』


若草の青年は、拳を握って、立てた親指を馬車の方に向けた。


『ありゃあないだろ!!?』


☆              ☆             ☆ ☆             ☆              ☆



馬車の中で座っていたのはー・・・


腐りかけた、死体だった。

冒険者たちから、
文字通り【くさったしたい】と呼ばれている、れっきとした魔物である。




紫のターバンの青年は、
魔物達と心を通わせ、自らの仲間にしてしまう、
【まもの使い】と呼ばれる存在だった。




『コレはおかしいだろ!!?』


若草の青年は、語気を強めた。
興奮して頭に血が上り、顔は真っ赤になっている。


しかし、相棒は、にこにこ顔を崩さない。
挙げ句の果てに【スミス】という名前を付けてあげたよ、などと
聞いてもいないことをぺらぺらと喋りだした。



『コイツ、死んでんじゃん!!腐ってんじゃん!!なあおい!!』


分かってんのか、お前、と白目をむいて、
相棒の両肩をつかんで、ガクガクと揺する。

それでも、相棒は、にこにこ笑顔で、スミスはいいやつだよ、と
言い放つ。



だ、だめだコイツ・・・相変わらず、人の話をききゃしねぇ。

若草の青年は、こめかみを押さえて、諦めのため息をついた。


と、その時、スミスが急に、ものすごいスピードで馬車から飛び出した。




若草の青年は、不意をつかれて、腰を抜かしそうになった。
な、なんだ、なにがあった・・・?


スミスは、焦点の合わない目で、しばらく虚空を見つめたあと、
『ああ』、とか、『うう』、とか呟いて、動かなくなった。


どうにか落ち着きを取り戻した若草の青年は、しかめっつらで叫ぶ。


『ああもう、なに考えてんのかぜんっぜんわかんねぇんだよお前はァッ!!』


それを聞いて、ターバンの青年は、腹を抱えて笑いだした。



コイツの考えてることも、たまにさっぱりわからねぇ。
若草の青年は、本日もう何度目になるか分からないような、
長い長いため息をつく。



と、急に相棒が、
緊迫した声で自分の名を叫んだのが聞こえた。
若草の青年は、ハッとして振り返る。


背後から鎧の魔物が、白刃を持って、突進してきていたのだ。
まずった。完全に油断していた。


この距離では、かわせない・・・!
青年は、反射的に、目を閉じる。


刹那、すごい勢いで、何かが青年に、覆い被さった。



それは、スミスだった。
スミスは猛スピードで若草の青年を庇い、
白刃に貫かれていたのだ。



『お、お前・・・』



若草の青年は、目を見開いて、スミスを見た。
スミスはもう、ピクリとも、動かなくなっていた。


呆然とする中、
怒りに燃える、相棒の雄叫びだけが、
耳をぬけていったー・・・。






戦いは終った。




動かなくなったスミスの為に、
二人は、地面に、深い深い穴を掘って、丁重に弔った。


『スミスは、いい奴だよ。』


相棒の言葉が、胸に突き刺さる。
コイツだって、大切な旅の仲間だったんだ・・・。


『ああ、いい奴だったよ・・・。』


心の中で、詫びる。
後悔ばかりが残るが、ここに止まっていても仕方がない。

しばらくその場に佇んだあと、二人の青年は、顔を見合わせて頷いた。





と、その時



急に足下から、
ボコッと、腐りかけの腕が、勢い良く飛び出してきた。




二人の青年は、呆然と顔を見合わせる。




『おま・・・!紛らわしいっっんだよ!!!!』



若草の青年が叫び散らす声と、その相棒の笑い声だけが、
夕暮れの平原にこだまするのであった・・・。


                       ~~~FIN~~~
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