バトルマスター、そしてパラディンのLVを上げたおれは、
実戦のコツをつかむべく、それらの職で、
各強ボスへ繰り出した。
まずは、バトマス。
タゲ下がり等、前衛アタッカーの基本戦術は一応理解したのだが、
やればやるほど、
【 バトルマスター 】は、
おれには向いてないな、と思うようになった。
おれの場合・・・
アタッカー(今回はハンマーバト)をしているときに、
相手の体力を削る、という仕事を真面目にせずに、
要らんことをしてしまう癖があるらしい;
例えばー・・・
(;゜ロ)< 気が付いたらキャンセル待機をしている;
(;゜ロ)< 僧侶のMP切れそうなとき、せいすいを配りに行ってしまう;
結果、何も考えずに殴り続けるよりも、
討伐時間が長めになってしまうこともある;
よって、現在では、おれは4つのロールの中で、
アタッカーの適正が一番薄いと自己判断し、
あくまで、PTに火力役がいない場合、もしくは、
誰もやりたがらない場合のみ出動することに決めている。
さて、次は、パラディン。
おれが、冒険者になる前に、己の理想の姿として思い描いていた職業。
あの頃とは、色々と考え方は変わってしまったが、
実戦投入となると、やはり俄然チカラが入ると言うものである。
パラディンをこなせる盟友は、
実は当時は、おれの周りにはいなかった。
なので、パラがいないから、と
当時滅多に戦わなかった、
【天魔】【リベリオ】【オーレン】【プスゴン】
等と、本格的にぶつかって行くことになったのも、この時期からである。
上記の強ボスとパラで戦ってみて、おれは思った。
(;゜ロ)< うんおれ、パラ向いてないわ!!
今でも思っていることだが、
おれは【相撲】に、実は全く自信がない。
とくに、敵とがっぷり組み合うまでの開幕の数秒、
緊張しないときは一度もないほどだ。
油断すれば、開幕ですり抜ける。
途中でも、下手に動けば、ぬるりと抜けられる。
そして、後列につっこんで、やりたい放題する敵を、
必死で追いかけながら、見つめることしかできないときの、
あの絶望感・・・。
そして、パラディンの戦術は、相撲だけにとどまらない。
例えば、【ターンエンドの概念を知ること。】
パラでなくても、知っておいた方がよい中級戦術ではあるが、
パラの場合は、これが戦術のキモとなる。
相手がターゲットにたどり着けない場合、
大体何秒で攻撃を諦めて、行動を切り替えるのか。
そして、行動を切り替えた場合に、何を放ってくる場合があるのか。
他にも、怒っている場合でのみ行動パターンが変わる相手や、
怒った瞬間、すぐさま危険な行動をするかもしれない相手を見極める等、
PTに確実な勝利を届けるためには、
気をつけねばならないことは、この他にも山ほどある。
(;゜ロ)< 他の職と、やることが根本的に違う気がする;
おれは、パラをやっているときだけは、
未だに、戦闘中にしゃべる気にはなれない。
それほどに、前方の相手に神経を研ぎすませる必要がある;
パラが得意な人は、余裕なのかもしれないが;w
だが、わりと長い期間、おれの周りでパラをやる人はいなかったので、
自然とおれはパラディンとしての出動が多くなり、
下手くそながらも、徐々に、その独自の戦い方に慣れていった。
パラディン人口の不足は、おれの周りだけでなく、
冒険者全体の問題のようで、
よく、対災厄の手伝いや、
ドラゴンガイアの助っ人などで、盟友達に呼ばれることもあった。
今でも、災厄の王討伐に呼ばれるときは、ほぼパラでの出動となる。
『ザラさんはパラディンができる。』
意図しないままに、おれは、
かつて理想としていた、【パラディンが本職】であることを、
まわりから認められ始めていた。
栄光の【ザラディン】。
実際のところは、理想のパラとはかけ離れ、
強ボスやコインボスに何回もぶっ飛ばされて、
それでも泥水すすって、起きあがって、
場数だけを経験値に替えて、
ようやく今の【それなりパラディン】ができるようになっているのだ;
(゜ロ)< 泥臭いわね!
だが、苦労している分、
思い入れもヒトシオになっているのも事実。
さて、何か本職を1つ、定めるとするならば、
おれは、常に苦難と共にあるこの職業を、
本当に選ぶことができるのだろうか・・・
~~続く~~