~~楽園・完結編~~
おれの目に飛び込んできたもの、それはー・・・
浴場の壁の一角にある、少し大きめの切れ目だった。
ただそれだけのことだが、何か頭がもやもやする。
少し細長いが、ある意味これも【穴】と言えるのではないか・・・?
もしかするとこれが、【楽園】に通じる穴?
だがおれは、すぐにこの考えを一蹴した。
百歩譲ってこれが【穴】でも、壁についている以上、その先は外か、宿屋内の他の場所に決まっているのだ。
所詮【楽園】は都市伝説。まあ、良い湯に浸かれたし良しとするか。
そう考えをまとめ、湯から上がる。
浴場を後にしようとしたとき、おれの脳裏に何かがよぎった。
・・・【宿屋内の他の場所】?
たしかこの宿屋の地下の構造は、階段を下りてすぐのカウンターから、向かって左に行けば男湯の浴場、右に行けば女湯の浴場のはず。
方角や、作りからして、この壁の向こうはもしや・・・・;
【楽園】
(イメージ映像でお届けしております)
【楽園に通じる穴】
謎はすべて解けた。
この先を目にすると、おれは生きて帰れないかもしれない。
だが、そこに少しでも冒険の香りがするならば、首を突っ込まずにはいられない。冒険者の性という奴だ。それがおれのロマンシング。
では、いざ覗・・・、いや、調査を!
だが・・・な、なんだこの白いモヤは・・・!
し、しまったーーーーーーッ
眼鏡が曇って何も見えない!!
目が、目がぁぁーーーっ!!!!!
どうするザラターン!
~~楽園~~は、今回で打ち切りとなります。
ご愛読ありがとうございました。
でもオレたちの冒険は、これからだゼ!!!!
~~~FIN~~~~