( これは要らない・・・よな・・・?な! )
○
0 。
(゜~゜;)
・・・倉庫の奥底に眠っていたスラタワーヘッドと
にらめっこすること2分。
おれは答えを、簡単には導き出せずにいた。
倉庫の空きスペースが、限界近くなってきている。
最近では、たまにしか使わない装備品の出し入れや、
拾ったボスカードの残り時間を確認するのにも一苦労するほどだ。
というわけでいい加減仕分けするか、
と、おれは数ヶ月ぶりに重い腰を上げ、
要らない物を処分しようとしたのだがー・・・
これまでの度重なる仕分けのお陰で、
最近はいよいよ、捨てても良い、
と心から思える物が少なくなってきていた。
例えば、このスラタワーヘッドなども、
微妙~~~に捨てたくない物の1つというわけだ。
これ使うか?いや、まず使うまい。
しかしいつの日か、急にイベントで使ったり、
突然ネタが降臨して、一笑いとれる日もくるかも?
・・・などと、どうでも良いことを考えているとー・・・
♪ ちりんちりーん ♪
ドラキーが小包を持ってやってきた。
中身は、一通の手紙と、一輪のプクランサフラン。
おれとはほとんど絡みのない、珍しい盟友からの届け物だった。
噂だけは聞いていたが、
差出人の盟友はこの度冒険者を引退することにしたそうで、
最後に、全ての盟友に、思い出を綴った手紙を書いていたようだ。
手紙の内容は、要約すればまあ、
おれの日誌が、わりと楽しめたよ、的なものだった。
ほとんど絡みの無かったおれにも手紙を書いてくれるとは、
律儀な人だな。
盟友一人一人に手紙を書くのに使った手間は計り知れないだろう。
おれはしばし、差出人の盟友のこれからの幸福を祈り、
そして作業に戻った。
そしてその2秒後に、手紙に添付されていた花の事を思い出す。
(;゜ロ)< ・・・ ・・・
この花・・・売っても良いよ・・・ね?
何せ今のおれは、倉庫に余裕が全くないのだ。
この差出人とPTを組んだのは1回や2回が良いところで、
特に会話をしてたわけでも、面白い絡みがあったわけでもなし。
この花をみて、思い出すようなことも特に何もない。
よし、いいよな・・・!
うん良いよ、バザーに持っていこう。
さあ売ろう。今売ろう。
売r・・・う・・・
(;゜ロ)< う、売れるわけないだろうがああああああッ!!!!
かくして、捨てられないモノは増えてゆく。
観念して、倉庫拡張を真剣に考えるべきか。
となると、写真枠もこの際増やしたくなる。
となれば、やはりお得なのは5キャラコース・・・?
などとぶつくさ考えていると、
ふと、倉庫の隅の、銀のロザリオが目に入った。
おれは銀のロザリオはHPと致死の二つの理論値を所持していて、
この倉庫に入っているこれは、ただの余り物である。
【 全く不要なアクセの現物 】を、
おれはいくつか取りおいてあった。
というのも、最近不思議な魔塔の報酬で、
【神秘のカード】が全く不要になるような
【不思議なカード】というものが登場し、
相対的に神秘のカードの価値が大きく下がったことにより、
ほぼ不要となりつつある、
神秘のカードを作る材料となるコインボスアクセの破片が、
【 神々の緩和 】により、
別の使い方ができるようになるかもしれない、と踏んでいたからだ。
それと同時に、不要なアクセの現物を
【砕く】事ができるようになっても何ら不思議ではない。
『 今からアクセを売ろうとしている者ども、しばし待つが良いww 』
半笑いでそう啓示を言い放つ神の顔を想像して、
苦笑いをしつつおれはー・・・
そこでなんだか、色々と馬鹿らしくなってきた。
不要なアクセを道具屋に売りさばく。
これで、倉庫に幾ばくか空きができた。
実に簡単な事。
心もなぜか、晴れやかだった。
そう遠くない未来、
おれは倉庫を拡張する事になるかもしれない。
でもその前に、
そうなることになる理由を、
どうして今まで、スラタワーヘッドを取ってあったのかを。
もう一度、良く考えてみようと思った。
~~~FIN~~~