※DQXと直接関係のない記事を綴ってあります。
興味のない方はすっ飛ばしてやってくださいw
『 皆さん、もしお時間あれば 』
『 リベンジとかどうですかw 』
自然と打ち込んでいたこの言葉。
同情とか、悔しかったとか、少しも無いと言えば嘘になる。
だが本心はと言うと
おれはこの空気の中で無意識の内に
【 黙ってることの方が勇気がいる 】と
判断していたようだ。
いわば人に嫌われないための
【 自己防衛本能 】だったのかもしれない。
その台詞を待っていたかのように銀さんが
『いいですねえ!』
『僕は大丈夫ですよ!』
と矢継ぎ早にしゃべり始める。
HUNTERも【 OK 】と定型文で了解の意を示した。
『 頑張ってみます>< 』
ぐずっていたTさんだったが、
我々の気遣いを無駄にはできないと思ったのか
最終的には了解してくれた。
かくして我々はリベンジを果たすべく
奴の住処、火山へと赴くのであった。
☆ ☆ ☆
☆ ☆ ☆
しかし…
クエが始まって5分もたたないうちに
Tさんは再び力尽きる。
『ごめんなさい><』
猫の引く荷車で運ばれながら、
Tさんは今日だけで
幾度目かともしれない謝罪の言葉を口にする。
そしてそれからしばらくしても、
Tさんがキャンプ(安全地帯)から動く気配は無かった。
『あの』
『 もう終わるまでここで待っててもいいですか;; 』
今日ずっと落ち続けていた自分のふがいなさ、
自分のために他人に迷惑をかけ続けていること。
色々な気持ちがあったのだろう。
おれはその台詞をみて、一気に感情が高ぶった。
気持ちはわかる。わかるけど…!
それじゃあ、このクエをリトライした意味がない。
このまま野郎3人でクリアすることは普通に可能だろう。
でもそれでこのクエを突破したとしても、
彼女はきっと、次からこのモンスターがトラウマになる。
いや、そんなことよりも!
『 だいじょぶ、一緒に頑張りましょう! 』
色々な感情が渦巻くが、
とりあえずチャットで打ち込んだこの台詞。
でもだめだ、これでは。
この気持ち、分かってもらえるにはどうしたらいい。
考えるより、理性より先に感情が動く。
指が勝手に動く。
後先のこと。前後の文章。考えてる暇はない。
おれの【 自己防衛本能 】のリミッターは、
砂漠の街に来て、初めて解除された。
『 別にまけてもいい! 』
『3乙したって!!』
『 楽しければ! 』
『 いいのぜ!! 』
そこまで打って、おれは、我にかえった。
急に恥ずかしくなる。
日本語も少しおかしいし。
数秒、静まりかえる狩り場。
その沈黙を初めに破ったのは
HUNTERだった。
『 うん 』
『 一緒にがんばろう 』
定型文でしか語らなかった、あの無口なHUNTERが…
簡素だけど、明らかに手打ちの文章で喋っている。
『 そうですよ! 』
『 気楽にがんばりましょw 』
銀さんも、いつもの調子で応える。
『 はい>< 』
『 がんばります! 』
Tさんは、狩り場へ戻る決心をしてくれた。
ここからが本番!
といったところで銀さんが力尽きた/(.^.)\
普段なら【 ドンマイ 】で済ませるおれだが
なにぶんその時はテンションが高かった。
『 銀さあぁぁぁぁぁん!! 』
力一杯叫ぶ。
『 新八いぃぃぃぃぃ!! 』
銀さんはこの期を逃さなかった。
場にささやかな笑いがおこる。
考えなくても次々に出てくる言葉。
苦戦しているはずなのに、笑いの絶えない空間。
そこには細かい計算も、下らない算段もなかった。
5年たった今でも鮮明に覚えている。
あれがおれの、砂漠の街でのベストハント。
まあ負けたんだけどね;
それでも笑顔でおれたちは街へと戻り、
楽しかった、と口々に言い合って解散した。
去りゆく仲間達を笑顔で見送りながら、おれは思っていた。
おいおれ!なんであの人達に
『 フレになってください 』って
言えなかったんだあぁッ!!
(;ロ)< ザラターン・イズ・後悔!
真のヘタレはここにいたというお話。
~~~つづく~~~