晴天の《ザマ峠》。ドルボードで風を切り、翔る。
最近、チームレベルが10になり、ウチにもようやく【ロングマント】のユニフォームがやってきた。
カラーデザインは、副長のアストさんプロデュースだ。
自分がデザインすると、どうせ趣味の緑色に走ると思うので、ユニフォームデザインは、変えたい人に一任することにしたのである。
アストさんに任せると、服もマントもバニラ一色の、真っ白な衣装に仕上がった。恐らくどこかの帝国(?)の偉い人に見られたら多分、
「きさまら はんらんぐん だな!!」
と言われることだろう。
望むところである。
・・・折角なので今回は、この格好で、チームクエである、【ザマ峠採取】に行ってみたという流れである。
だいたいの服に言える事ではあるが、オーガの男が着ると、多少の【ピッチリ感】は否めない(オーガ男のオサレの幅の狭さ、推して知るべし;;)。
この衣装も例外ではなかった;;
しかしなるほど、今までのユニフォームと比べてみれば、ぐっとオトナっぽさが出ていて、かなりいい感じになっている。
色々な状況で使っていけるだろう、と思えた。
しかし・・・
なんだろう・・・この・・・違和感・・・
『この衣装には、何かが足りない。』
直感がそう告げる。
だが、何が足りないというのか・・・
何か、大切なことを忘れているような気がしながら、おれはキラキラ集めを続けた。
それにしても、ドルボードに乗って走っていると、マントが風を受けて良くなびく。
丈が長くなって、格好良くはなったが、こういうときは案外煩わしいものだな。そう思いながら、おれはマントに目をやった。
そしてー・・・
あらためて見えた自分の後ろ姿に、おれは驚愕したのである。
え、あれコレ、アレ?
な、なな・・・・無いんですけど・・・・!!!!
ききき消えちまったんですけど!!!!!!
おれの・・・
おれの・・・
(;゜ロ)< おれの【尻尾ォォォッッ!!!!!】
尻尾とは、オーガのチャームポイントである。
尻尾とは、オーガのアイデンティティである。
尻尾とは、オーガのレゾンデートルである。
それが、綺麗さっぱり無くなっているのだ。おれは愕然とした。
今までも、ローブなど着た際に、尻尾が見えなくなることはあった。だがあれは、ゆったりとした生地の下に隠れていただけだ。
だが、今回は・・・
今回は・・・!
ピッチリしてる今回ばかりは・・・・!!;
聞けば、ウェディのシンボル【背びれ】も消えてしまってるらしい。
ひどい話である。
チームという《集団》に所属する以上、行き過ぎた個性は捨て去るべき、ということなのだろうか。ユニフォームからの無言の圧力。
出る杭たたかれ、ウェディは背びれをたたむことを余儀なくされ、そしてオーガは尻尾を・・・・
尻尾を・・・・
背中方向に・・・伸ばして・・・隠した?
背中にバット仕込むような、あの感じ?
どのみち、おれはロングマントのこの衣装、ちょっとだけ嫌いになった。
という、どうでもいいおはなし。