目を閉じて、精神を研ぎすます。
大地の精霊に語りかけ、魔法力で複雑な【陣】を描く。
土属性の上級呪文
【ジバリーナ】
どんなに強大な魔力を持つ魔法使いでも、
あまたの英知を修めた賢者達でさえも、
森や大地に認められない者には決してこの呪文を会得することはできない。
この呪文は、自然と心通じるレンジャー達の、秘技中の秘技。
レンジャーとして、気の遠くなるような修練の果てに、今日おれはついに、この呪文を会得することに成功した。
魔法陣に力が満ちる。荒ぶる大地の魔力を感じる・・・。
おれは目を見開き、その【言霊】を口した。
さあ、轟け大地よ。
「ジ バ リ ー ナ ッ!!!!!」
地の力が収束し、巨大な岩の槍となって、地面から魔物を突き上げる。
自分が放った呪文ながら、圧倒的な光景だ。
これでは、魔物達もひとたまりもないだろう。
おれは勝利を確信し、きびすを返した。
しかし、この呪文、並みの中級呪文数発分の魔法力を消費するようだ。
ここぞという時にしか使えないな。
そんなことを考えながらその場を去ろうとした瞬間・・・
「ゴスッ」
という鈍い音と共に、後頭部に衝撃が走った。
先ほど対峙していた魔物、【アカイライ】のクチバシが、おれの頭を突き刺したのだ。
何でこいつ、まだピンピンしとるん?
おれが呆然としてる間に、2発、3発と後頭部をつつかれた。
ザラ 「あ、いたい、痛いッ!すんません!」
反射的に謝ってしまったが、どうにか平静を取り戻すことができた。
おれはこの、形容しがたい魔物に向き直りにらみ付けた。
い、いいだろう。そんなに死にたいのならもう一度喰らわせてやろう。
おれは再び、【ジバリーナ】の詠唱を始めた。
程なく呪文は発動し、大地の槍が【アカイライ】に直撃した。
ダメージ表示 Σ 130(しかも【転び】もなし)
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モリナラ支部のみんな、
そして、相棒。
ごめんおれ、レンジャー辞めるかもしれん;;