【バズズ】第2章
大悪魔が、両腕を振り下ろす。
閃く爪の斬撃に、おれの視界は真っ赤に染まっていく・・・
ああ、やはりおれがこの悪魔に挑むのは、早すぎたのだろうか・・・
薄れゆく意識の中、バズズが再び腕を振りあげるのが見えた。
・・・
・・・
・・・
数刻前ー・・・
陸亀旅団の面々は、《オルフェアの住宅村》にいた。
この間、団員のカタキさんが、新しく広い家を建てたので、今宵のバズズ戦のための、作戦会議場に使わせてもらっていたのだ。
(オーガのおれから見ても相当な広さに見える家だが、小さなプクリポの中でも、さらに小柄であるカタキさんの目には、どう写っているのだろう・・・w)
そこそこ戦い慣れてきたとはいえ、まだまだウチは、優れた耐性のある装備や、強敵との戦闘経験が足りていないので、たまの大勝負の際は、このようなミーティングを行うことにしているのだ。
さて、今回のバズズ戦に挑むのは・・・
・ 威厳も無しの昼行灯 一応団長 ザラターン
・ 恐るべきチムクエワーカー 鬼の副長 アストレイ
・ 円らな瞳の小さな冥獣 切り込み隊長 カタキラウワ
ウチのメンバーで、強ボスクラスに何とか太刀打ちできる力量があるのはこの3名のみである。なので、今回も、日頃からお世話になっている冒険仲間
・ ぬいぐるみ沢山持ってます 強力助っ人 ドウさん
を加えた面々となった。
先人達が開拓した文献を元に、こちらの陣形や各自の役割、バズズの攻撃法に対する対策を確認する。
1・前衛二人にズッシードをかけ、壁とする。後衛二人はその壁の直線上での行動を徹底。
2・イオグランデの詠唱が始まったら、手を休めて各自散開。
3・バギムーチョ、ザラキーマで狙われた対象者は、周りの人をなるべく巻き込まないようにする。
4・怒り状態になると痛恨、ラリホーを使うので、前衛が速やかに鎮静する。
以上の四点が基本戦術となる。
あとは、たまに使ってくるという【マホトーン】の対策だがー・・・
今回僧侶を勤めるおれは、この日のために【封印ガード】の練金が施された防具を購入していたし、もう一名僧侶として参加する、副長も同じく【封印ガード】の付いた指輪をー・・・
アストさん 「指輪はないw」
ザラ 「え」
アストさん 「知らない間に売ってたっぽい(^_^;)」
ザラ 「・・・」
ザラ 「ま、まあなんとかなるでしょうw」
思えば、この時気づくべきだったのか・・・。
この、あからさまなー・・・・
【フラグ会話(゜口゜)】
★ ★ ★
陸亀旅団はバズズに破れ去った。
主な敗因は、回復に忙殺されていたおれが、あろうことか副長の【マホトーン状態】に気が付くのが遅れ、結果ズッシードを切らせてしまった事だろう。
陣形を崩されたPTは、半壊状態ながらも奮戦し、結果バズズを瀕死の状態まで追い込むことはできたのだがー・・・
カタキ邸でしばし佇んだ我々は、いつか訪れるであろう再戦について、遅くまで語り合った。
願わくば、この敗北が、陸亀旅団のさらなる強さとならんことを。
そして、名に違わぬ実力を見せてくれた大悪魔よ。
夢のような時間をありがとう。実に楽しい戦いだった。
次来るときまでに、おれはさらに強くなることを誓おう。
こうして一夜の夢は終わりを告げ、日常は戻ってくる。
いつものように、ガラガラを回すおれがいた。
今日の福引きの成果はー・・・
こびん、こびん、ほじょけん、おはな・・・;;
ああ、ボスコイン、また当たらねぇかなぁ~~~~・・・;;
~いつか、第3章が書ける日を願って。~~~つづく~~~