照りつける太陽の下、おれは汗水垂らしながら、今日も愛機【玄竜(げんりゅう)】を駆って、キラキラを集めている。
仕事とはいえ、やはり《ゴブル砂漠》の気候は過酷だ。とても人が長時間活動できるような場所ではないな、と思う。
早く素材採取を済ませて、酒場で一杯やりたいものだ・・・
そんなことを思いながら、ドルボードを走らせていると、知らぬ間におれは、とある浜辺へとたどり着いていた。
視界一杯に広がる広い海と、青い空。
砂漠くんだりまで来て、こんな絶景に出くわすとは思わなかった。
見ればこの浜辺には、デカいカニまで、歩いているではないか。
そういえば、カニなど久しく食ってないな・・・。
おれは、親子と思わしき二匹のカニへと目をやった。
カニA「アカオニだよ。」
カニB「アカオニはやってきたよ。」
カニA「アカオニは笑ったよ。」
カニB「アカオニはヘラヘラ笑ったよ。」
カニA「アカオニは僕達を舐めきってるよ。」
カニB「メラでもかけてやれ、と思ってるよ。」
カニA「アカオニと戦闘になったよ。」
カニB「アカオニにかましたよ。」
カニA「アカオニに痛恨かましたよ。」
カニA「アカオニは死んだよ。」
カニA「アカオニはよみがえったよ。」
カニB「アカオニは仲間のザオで起きあがったよ。」
カニA「アカオニは逃げていくよ。」
カニB「アカオニは何事もなかったようにドルボに乗ったよ。」
カニA「アカオニはすべて無かったことにしたよ。」
カニB「アカオニは無理矢理りりしい顔をつくったよ。」
カニA「アカオニはゴーグルつけてるよ。」
カニB「ドルボにゴーグルの組み合わせが格好いいと思っているよ。」
カニA「アカオニは遠ざかっていくよ。」
カニA「アカオニのドルボ、すぐさま燃料切れたよ。」
カニB「アカオニは砂漠に投げ出されたよ。」
カニA「アカオニはこけたよ。」
カニB「顔面から、灼ける砂に突っ込んだよ。」
カニA「アカオニは給油しているよ。」
カニB「アカオニは半泣きで給油しているよ。」
カニA「アカオニは、またドルボに乗り込んだよ。」
カニA「アカオニは遠ざかっていくよ。」
カニB「やっぱりすべて無かったことにするつもりだよ。」
カニA「アカオニは振り返ったよ。」
ザラ 「お、お・・・・」
「おぼえてらっしゃいっっっっ!!!」
カニA「アカオニは帰ったよ。」
カニB「アカオニはなぜか・・・」
カニA「オネエ言葉だったよ。」
~~~FIN~~~