ザラターンの冒険日誌

つがえ、引き絞り、そして放つ。


そしてー…
矢は明後日の方向に飛んでゆく。

おれは遠い目でため息をついた。



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メイヴⅣ戦での惨敗からはや数日。


あれからおれ達は、
新たな練習段階に入った。
とりあえずは、
連携をとって動く訓練と、
避けられる攻撃を避ける訓練。

練習はなかなか順調で、
初期に比べれば、
そこそこ皆、動けるように
なってはきている。

がー・・・
目標の相手は常闇のⅣ。
付け焼き刃の練習、知識では
ほぼ通用しないだろう。

戦術、連携、動きの洗練。

倒せるようになるには、
まだまだ時間がかかりそうだ。



ルームメンバーとの
話し合いの結果、
今回もおれが
【　どうぐ使い　】の
ポジションに決定したので、
今回も例によって、
自分にできることは
突き詰めようと決める。



メイヴはランクⅢから、
墨を吐く代わりに
【　泥吐き　】をしてくる。
泥はその高威力もさる事ながら、
食らえば、ＤＫの
闇のはどうのような
基礎力低下の効果を受ける。

さらに最悪なのが、
狙われた人間は

【絶対に回避不能】

だと言うこと。


能力低下を防ぐには
キラポンをまくしかないが、
僧侶だけでは手が足りない。


そこで活躍するのが、
【　弓聖の守り星　】。


すなわちー・・・
【弓スキル】だ。


特に高ランクになると、
補助役の弓の技は
ほぼ必須とも言われるので、
おれもどうにか
弓の技を身につけようと今
踏ん張っているというわけだ。


メイヴ戦においての
弓使いの役割はもう一つ。
それは、

【守護石の破壊】。

守護石を破壊すると
以後２秒間程度だけ、
メイヴの切り札の全体攻撃を
無効化するバリアを
戦場全域に広げることができる。

つまり、うまく使えば
攻防の手を休めることなく
全体即死級攻撃を防ぐ事が
可能になると言うわけだ。


石を射るタイミングは、
奴の切り札発動の
【　直前　】ただ一瞬。


ロビンフッドが喜びそうな
シチュエーションだが、
しがない冒険者には
ただただ勘弁願いたい次第。


しかも、当然どうぐ使いは
悠長に弓だけ構えていれば
良いというわけでもない。


まずは本業の味方の支援。
蘇生、回復。
武器を切り替えての
敵の弱体。
暇ができれば攻撃。


どこぞの異世界の緑の勇者か、
語りイタチを連れた風来坊か。
とにかく彼ら並の
多芸を求められると言っても
過言ではない。


やってて楽しくはあるが
とにかく忙しい。
ＤＫの時以上かもしれない。


今はまだ前衛も
敵の攻撃に慣れていないので、
そのケアも加わって
頭が爆発しそうな忙しさである。


でも、
この段階から練習を積むことで
実力を叩き上げて行けるはず。


スキルも色々やりくりして
どうにかこうにか１８０まで
取った。


オルフェウスの弓以来になる
新しい弓も購入し、
宝珠も、簡単に手に入る物は
用意した。


あとは腹をくくって、
己が強くなるしかない。




気を取り直して、
弓に矢をつがえる。

さて、もう一度特訓だ。



しかしー・・・



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(；゜ロ)＜　この構え
　　　　　　どうにかならんのか！



～～つづく？～～