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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 133

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ザラターンの冒険日誌

2021-12-08 17:36:30.0 2021-12-08 19:41:11.0テーマ:その他

知られざる聖戦③(Ver5までのネタバレ注意)

魔界へと向かおうとする我々を
闘戦聖母は、さして咎めはしなかった。
或いは、彼女も迷っていたのかもしれない。

空は曇天。
ランドンからの冷たい山風が吹きおろす中
出立の支度を整えていると、
知った顔に声をかけられる。


『 ザラ。お前も行くんだな… 』


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆

彼は、かつておれが
雇われパラディンだった頃
同じ小隊に所属していた仲間の一人。
今や王宮騎士に任ぜらている、
隊一番の出世頭ってところだ。

軽く挨拶を交わすが、
彼は浮かない顔だった。

『 正直、僕には分からん。
  魔族を助けようとする
  お前達の気持ちが。

  先の魔王ヴァレリアの襲撃でも、
  幾人もの同胞が死んだ… 』


友は、悔しそうに拳を握りしめた。


…彼も無論、勇者と盟友が魔界の王達と
手を結んだ事は承知しているだろう。

その上で…いやそれ故に。
怒りや悲しみが行き場を失い、
憎しみを抑えられくなっているのだ。

当然の反応だと思う。


人と魔族。

有史以前から。
殺しに殺し…殺されに殺され続けてきた、
不倶戴天の敵同士。

人々の大半は、きっと今でも、
そういう認識に違いない。

永劫とも言える時間
固く編まれ続けた憎しみの連鎖はもはや、
どちらかが滅び去るまで
断ち切られる事は無い。
誰もが当然のように思っているはずだ。

否。

『断ち切ろうとする事』さえ

誰一人。考える事すら
しなかったのではないか。


だが、当代の勇者と盟友、
そして魔界の王達は…

その憎しみ合った、永劫の時間を。
無限に続く殺し合いの歴史を。

いとも簡単に。
水へと流し、覆そうと言うのだ。


普通の人間なら、彼らの正気こそを
疑って然るべきかもしれない。
しかし…

無言のおれから視線を落とし、
彼は続けた。


『 お前は本当に
  信じられるのか?
  彼らの決断を。
  …あの魔族どもを。 』


しばしの沈黙の後、
おれは、真顔のまま口を開く。


『 魔界の…ファラザードって街でな。
  アイスを食ったんだ。 』


『 は…? 』


『 どんな味がしたと思う? 』


突然の話題に拍子抜けする友を
後目に、したり顔で続ける。


『 それがなあ。
  あんまり変わらないんだよ。
  こっちと。 』


おれは魔界を旅してきた。
だからこそ、自信を持って
言える事がある。


『 魔族ったってな。
  嬉しい時は笑うし…
  悲しけりゃ泣くし…
 
  飲んだくれて酔っぱらって
  酒場の看板に話しかけるし…

  暑い日にゃ、冷たいアイスを食って
  至福の顔になるんだ。

  旅をして、おれはそれを知った。 』


光の河を隔てた魔の大地に住む者達は…
おれ達とさして変わることのない
只の人間だった。
それが、おれの結論。


『 勇者やら盟友やら以前に、だ。』


☆   ☆    ☆   ☆   ☆


『 自分が目にした風景…
  心で感じたことこそを、
  おれは信じるよ。 』


お互いを知る勇気さえ持てば、
きっといつかは歩み寄れる、と。



☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 相変わらず甘いなあ、お前は。 』


旧友は諦めたように溜め息をつく。


『 おう、よく言われる。 』


『 そんなだから、
  相棒にも愛想尽かされるんだぞ。 』


『 ちょっ?おまっ…!
  なんでおれが振られた事ッ!? 』


急な一言に不意を付かれ
狼狽したおれはつい、
大きな声で叫んでしまった。

慌てて口を塞ぐも、もう遅い。


『 なんだなんだ、
  アンタふられたのかァ! 』

『 わーかわいそおー 』


恰好の獲物を見つけた
周りの冒険者達が、
次々に野次馬と化してゆく。
…勘弁して。


『 惰弱軟弱ゥ!
  そんな事より!
  ワシと身体を鍛えんか! 』

ムキムキのオーガがポージングをとる。

『 がんばれ~~♪ 
  まけ~~るなぁ~~ 』

名も知らぬプクリポが、
気の抜けた歌を唄いながら
頭に飛び乗ってくる。


『 だーーもう、最悪だ!
  もう知らん!行く! 』
  

元々赤い顔に
更に炎を燃え上がらせながら、
友に背を向け、歩き出す。


『 一杯奢ってやるから、
  必ず戻ってこい! 』


片手を上げて、友が叫ぶ。


『 おう。
  そっちも…生き残れよ。 』


別れの挨拶を交わし
おれは門へと進んだ。


『 ちからの~~かぎ~りぃー♪
  いきて~やれぇーーー 』

『 うおーん、うおーん 』


山風吹き下ろす盾島。


喧噪の中に混じって
何とも言われぬ歌声と、
雪男のような野太い鳴き声が
こだまするのであった。


~~つづく~~
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