【納涼・花火大会(後編)】
【チャットルーム】にあわただしく指示が飛ぶ。
会場の歓声がすごいので、意識を集中していなければ聞き取ることは難しい。
【花火班】の面々が次々に【チャットルーム】に呼ばれ、ついに第一班の打ち上げが開始された。
夜空に咲く大輪の花。
おれは、はっと息をのんだ。
このカオス空間では、どうせまともに見られないのではないか、と半分諦めていたからだ。
見える。
この空間でも、花火はちゃんとはっきり見える。
会場は大きな歓声に包まれた。
皆がみな、勝手に行動するカオス空間ー・・・
そう思っていた会場が、今や花火の話題で一つにまとまっていた。
すげぇ・・・
綺麗だ!!
もっとやれ!!
盛り上がる会場。
我ながら現金ではあるが、おれも、俄然やる気がでてきた。
先ほど、チャットルームからとばされた指示。
「ゲリラチームは2314より開始される第二班の打ち上げとともに行動を開始されたし。」
意気揚々と、おれは仲間たちに伝える。
仲間たちも、威勢良く答えた。
さあ、決して目立ちはしないが、我が旅団の唯一の見せ場だ。
この70発、存分に打ち上げようではないか!
持参した花火に点火し、打ち上げる。
組織的な打ち上げは【花火班】がやってくれるので、
ウチは適当にやるだけでいい。
【ゲリラ打ち上げチーム】も、ウチ以外に複数存在しているので、花火打ち上げは、指示の通り、第二班から大きく盛り上がりはじめた。
アストルティアの夜空を彩る、大輪の花火達。
今までのカオス空間が消し飛ぶほどの、観客たちの歓声。
紛れもない、これは最高の花火大会。
程なく第三班の打ち上げが終わり、主催のM氏の挨拶と、O氏による、次なるイベントの告知が大々的に行われた。
(O氏は台詞の九割を噛むので、なんか、通訳付きだった。)
はっきり言ってこれらの告知も、周りの歓声にかき消されてまともに聞こえはしなかったが、何となくニュアンスは伝わった。
・・・今はこれでいい、と思った。
告知の後は、再び第一班による、打ち上げのラストスパート。
それが終わると、観客全員で持ち寄った打ち上げ花火を、同時に上げるというオオトリの打ち上げが行われた。
「Let’s Rockn Roll !!」
M氏のかけ声とともに、漆黒の夜空は、色とりどりに染まったのだった。
・・・三色だけ・・・だけどもw
かくして、【納涼・花火大会】は、盛況のうちに幕を閉じたのであった。
☆ ☆ ☆
【おまけ】
大会終了後、夜が明けても、多くの人が会場には残っていた。
以前参加した、あるイベントの時もそう思ったが、
おれはこの、祭りの後の【二次会】的な雰囲気が結構好きだ。
居合わせた人たちと、取りあえず集合写真。
実に楽しいイベントだった。
主催のMさん、Aさんをはじめとするスタッフのみなさま。
今回我々をご招待いただき、ありがとうございました!
おかげさまで、最高に楽しい時間を過ごすことができました!
本当に、お疲れさまでしたッ!!!!!!
・・・さて、あれだね、
今から美容院行って
髪型・・・・戻してきます!!!!!!!!!!!
さらば、もじゃよ!
明日からは、ふつうの生活に戻るぞ!!!!
~~~FIN~~~