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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ザラターンの冒険日誌

2023-03-25 20:42:00.0 2023-03-25 20:45:07.0テーマ:その他

空を目指して(18)(ver6.1までのネタバレ注意)

『 うるさーーいッ!!


…心域。白亜の王城に吟遊詩人の怒声が響く。
なんだなんだ、一体何なんだ。状況が掴めん。


周りを見渡せば、おれやゲン…船長と同じように、
海賊の子分達も、一人残らず拘束されている。

拘束の際にツキモリの呪文で眠らされていたのか、
今の大声で目覚めたらしき彼らは皆一様に、
おれと同じ表情をしていた。


エスタータは何を考えているのか。
ツキモリに疑問の視線を送ると、奴はいつものように肩をすくめて、そっぽを向く。
理由はさっぱり分からないままだが、
とりあえず諦めろのサインだと言う事は解った。


…場が静まり、全員の困惑の視線を己が預かった事を確認すると、エスタータは一つ咳払いをして
静かにハープをかざした。


静寂の中。


ゆっくりと爪弾かれるメロディは、先程の怒声と
打って変わって、どこか悲しげである。


始まった旋律と共に目を閉じて、
彼女はようやく口を開いた。


『 夢は安らぎ…しとねは棺…
  母なる海は…すべてをいだく…

  これより語りまするは…


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 始原の歌姫の物語…


…エスタータが謳い始めたのは、
英雄リナーシェの、激動の人生を綴った詩だった。

おれが一人、駆け回っていた僅かな間に、
彼女はこの心域中を調べ上げ、あまつさえ
一つの詩に纏めてしまったというのか…


☆   ☆   ☆ ☆   ☆  ☆


幼くして母を失い…
敵国ジュレドとの戦争で、父王をも失ってしまった
コルレーン王国の王女リナーシェは、
歳若くして女王を務める事となる。

家屋は崩れ、兵は疲弊し、民は飢えて。
斜陽の王国がその双肩に重くのし掛かる中…

戦う力を持たないリナーシェは、
はじめはただ、幼い妹姫だけは何としても守るため。ただそれだけの為に。

歌の才と、己の美貌。
自分に残された、全ての手札を用いてでも
生き延びてゆく覚悟を抱く。

年若い少女が、この覚悟を決める程に。
彼女にかけられた重責、そして重圧は…
はたしてどれだけのものだった事だろう。



時は過ぎ。


リナーシェは成し遂げる。

『 育みの歌 』をはじめとする、
幾つかの歌を創り出し…
コルレーンの民を、飢えや、様々な脅威から
救う事に成功したのだ。


その後、当時土地の貧しかったウェナ全域を
根本から救わんと、リナーシェは
その歌の力を外交のカードにして、
ジュレド王国に和平を持ちかける。


ジュレド王国は憎き敵にして、父王の仇。
当然、両国の禍根も深い。
だが…彼女は戦いの道を選ばなかった。


かくして、ジュレド王ヴィゴレーと、
コルレーン女王リナーシェの婚姻を以て、
ウェナ諸島に、初の統一国家…ヴェリナード王国が
打ち立てられる事に決まった。


初めはヴィゴレーとの政略結婚に、
義務感しか感じていなかったリナーシェだったが…

ヴィゴレー王が、婚姻の為の指輪を作るのに、
数ヶ月、額に汗して宝石を探し歩いたと言う
噂を耳にするのをきっかけに、徐々に彼を
愛そうと努力するようになる。


しかし…


結果としてリナーシェは、
ヴェリナード王国創立の前夜、彼女の
強すぎる歌の力を内心疎んでいた
ヴィゴレーの裏切りに遭い、
その命を奪われる事になってしまう。

凶刃に貫かれ、薄れゆく意識の中で
リナーシェが見た光景は…

死にゆく己の代わりに、
最愛の妹である、アリア姫を妃として迎えてやろう。と、顔を歪めて笑うヴィゴレーの姿。


それを最後に、
リナーシェの記憶は途切れる。



( かくして英雄リナーシェは、
  何者かに負の心を増幅されて
  現代に悪神として舞い戻り、
  ヴェリナード…引いてはウェナ全域に
  牙を剥く事になった、と言うわけだ。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


…詩が終わって。
白亜の王城、エントランス。

何やら咽び泣く声が聞こえてくる。


『 うおーん、リナ″ーシェさば…!

『 がわいそう…ぐすっ

『 許さんぞヴィゴレーッ!!


なんと、海賊子分達が号泣しているではないか。
あの荒くれ達が、何と言う変わり様…

これもある意味で、
歌の持つ力と言えるのだろうか。


( いや、大したもんだな。


改めて、エスタータに目を向ける。

彼女は胸を押さえて、緊張をほぐすように
一つ、ゆっくりと息を吐くと、
トレードマークのとんがり帽子を取って、
おもむろに、逆さに抱えた。



『 では…!
  お代はここにっ!



咽び泣く声がぴたりと止まる。
場の時間が数秒止まった。






『『『『 いや金とんのかよッ!!! 』』』



…野郎どもの壮大なハーモニーが
心域に こだまするのだった。



~つづく~
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