聖竜の神話。
【グレイナル叙事詩】と呼ばれるモノについて調べている最中、
おれは意外な男と再会した。
剣技だけでなく、魔法をも極めたウェディの魔法戦士。
天は彼に、二物以上を余裕で与え続けたようで、
彼は戦闘能力だけではなく、指揮能力や学術分野においても一流の技能を持つ
【パーフェクトマン】である。
その上、浮き世離れした端正な美貌の持ち主であるというのだから、たまったものではない。
ここまでくると、もはや嫉妬の感情すら芽生えはしない。
しかしー・・・いや、だからと言うべきか。
彼は基本、誰ともつるまず、単身行動を旨としている。
戦場に、霞のように現れては奮迅し、そして賛美を浴びる間もなく、風のように去っていく。
神出鬼没の、その様から、冒険者達は、彼をこう呼んだ。
【幻影】・・・と。
ひょんな事から、
おれは彼の手記を盗み見て、重大な秘密を知ってしまい、
その事が元となって【盟友の誓い】を交わしている。
おれは最初彼を、無口でクールな、一匹狼と思いこんでいたが
実際の所は、物腰はとても柔らかい、穏やかな人物である。
あと、ちょこちょこ話してみてわかったことではあるが、割とうっかりさんでもあったりする。
盟友だけが知る、幻影の意外な一面でもある。
さて、今日は、そんな【うっかり王子】と、同じ謎を追っていたというきっかけで、
お互いの調査が一息ついた後、魔法の迷宮でも一緒にどうか、と、持ちかけてみた。
単独行動を旨とする彼の事なので、
フラれても仕方がないか、と、ダメもとで聞いてみたのだが、
意外にもOKをもらえた。
こんな機会は滅多にないと言わんばかりに、おれは居合わせた団員達に声をかけ、希望者達と彼を引き合わせることにした。
王子は、団員達に会って早々、仲間内にしか聞こえないほどの声で挨拶する(緑チャ)など、早速のうっかりぶりを見せつけたりもした。
その後、結構長いこと話していたせいで、迷宮にいく時間もなく、数人帰ってしまうという不足の事態に見舞われたが、
空いた一枠を、共通の友人の【ほむ】さんが埋めてくれたので、
どうにかこうにか、我々は迷宮で、【ボーンズコイン(&強)】を使うことができた。
戦闘結果は言わずもがな。
団最強の【副長】。
おれより幾分強い【ほむさん】。
そして、一流魔法戦士の【幻影】殿がいるのだから、
おれは鼻くそをほじっているだけで勝てたようなものだ。
・・・↑例えですよw?
普段単身行動をしている彼は、やはりこういったコインを使う機会は無かったようで、報酬で貰えた【しぐさ書】に、大いに喜んでくれたようだ。
それを見て、おれは、こういった、コインボスとの戦いや、後に控えた【災厄の王】などとの戦いにおいて、団総出で彼をバックアップすることを、あらためて心に誓うのであった。
~~~FIN~~~
★ ★ ★
★ ★ ★
お ま け
↓
↓
↓
★ ★ ★
★ ★ ★
写真。
ついに、あちらの世界に旅立ってしまった、
ユルセルームさん(団員NO8)。
★ ★ ★
★ ★ ★
なん・・・だと・・・;
★ ★ ★