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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 130

ライブカメラ画像

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ザラターンの冒険日誌

2023-06-24 22:05:28.0 2023-06-25 19:19:43.0テーマ:その他

その名ジア・クト、上(ver6.3までのネタバレ注意)

小山ほどもある巨大な鋼の騎士が、
唸りながら拳を振りかざす!

冒険者達は冷静に頷き合い、
鉄巨兵の拳が振り下ろされると同時に
四方へと散開した。


天星郷フォーリオンが擁する、
【源世庫パニガルム】。その最奥にて。
ここに眠る膨大な量の、旧世界の『記録』の調査中、突如動き出し襲いかかってきたこの鉄巨兵。

応戦するは、神都に滞在中の
冒険者達で結成された即席の調査隊だ。
今日はおれも、その一員として参加していた。


足場が崩れないかと心配になるほどの衝撃。

地響きの中、奴の拳をかわして散開した冒険者達は
三方向から奴を取り囲んで注意を分散しつつ、
手際良く反撃の準備を整えてゆく。

僧侶の祈りが守りのヴェールを張り巡らせ、
海賊が大砲に火を入れる。
道具使いが強化の陣を敷き…

魔法戦士の放つ五色の光弾が。
レンジャーの呼び出す、神獣の顎が。
鉄巨兵の鋼の装甲に、
埒を開けんと楔を打ち込んでゆく。


『 気をつけろ、
  次の攻撃が来るぞッ!


巨兵の手の平から、
無数の『光の槍』とも言うべき
巨大な光弾が生み出されてゆく。

恐ろしくも神々しいまでの光を放つ
巨槍を見て、誰かが呟いた。


『 グングニル…!


神話に語られし魔神の振るう、必中の投げ槍の名。
だが、神話の通りコレを必中させられたならば、
おれ達は全員、軽ーくお陀仏だ。


幸い、巨兵の動きはそれほど速くない。
なんとか付け入る隙はありそうだ。


その巨体、そして強大なチカラは…
元々は我々ヒトに向けられたものでは無く、
もっと強大な『何か』と戦うのを
想定されて設計されたものなのではないか?

それ故に、我々小さき者が
付け入る隙は見付け易い。
なんとなくだがそう思いつつ、
おれは全力で射線外へ走る。


『 光槍を射出中は隙だらけのようだ!

『 今です、総攻撃ーッ!!

『 うおおッ!!


増員、勢いよく武器を構える。
おれも大きく跳躍し、
装甲の継ぎ目に連続突きを放ってゆく。


程なくして。
…総勢12名の調査隊の猛攻の前に、
巨兵はひとまずではあるが、
その機能を停止させたのだった。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 『ログ』の解析によれば…そいつは
  『鉄巨兵ダイダルモス』。
   旧世界の科学技術の粋を集めて作られた
   世界防衛用の人型ロボット…
   その内の一機よ。


戦い終わって。
天使のオッサンは、訳知り顔で語る。


『 はえ~、マシン系なのかアレ…
  ゴーレムみたいな魔法生物なのかと思ってたよ。  凄いんだな、旧世界の技術ってヤツは。


『 まあ…駆動エネルギーの効率が悪くて、
  お蔵入りになってたようだがな。

『 おいおい…計算間違いかい?
  凄いんだか凄くないんだか、
  旧世界の技術…
  
  で?なんでソイツが今動いてて…
  おれらが襲われにゃならんの。


『 さあなあ。パニガルムについては
  ワシら天使にも解らんことが多い。
  調査あるのみだな。


なんだか、
はぐらかされたように
『今後とも頼んだぞ』とだけ言われ
肩を叩かれたので、おれは唸った。


『 うーん…


ひとり腕を組んで、鉄巨兵について考える。
確かにアレは凄いロボットだが…
裏を返せば旧世界は、あんなものが必要になる程の
脅威に晒されていた、という事だろう。


旧世界を襲った脅威とは。
まあ、神話を紐解けば答えはすぐ出てくる。


( やっぱり旧世界は…
  異界滅神とその眷属によって滅ぼされ…?


…突如、おれは激しく違和感を覚えた。


( いや、待て、まてよ…?


神話の終焉を踏まえて、改めて考えると…
この答えでは、かつておれが
魔界で得た情報と微妙に食い違いが生じるのだ。

何故なら、ジャゴヌバは…


『 オッさん。ちょっと質問だが…
  旧世界、とこしえの揺り籠を滅ぼしたのは…
  異界滅神ジャゴヌバ、で、いいんだっけ? 


『 !?


天使のオッさんの眉がピクリと動いたのを、
おれは見逃さなかった。


『 やっぱり違う、のか?

『 ふ、ザラよ…貴様もまた、
  魔界へと降りた冒険者だったのだな…

 

~つづく~
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