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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 130

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ザラターンの冒険日誌

2023-07-01 21:52:22.0 2023-07-01 22:15:18.0テーマ:その他

その名ジア・クト、下(※ver6.3までのネタバレ注意)

天使のおっさんは静かに語る…


『 ザラよ。旧世界【とこしえの揺り籠】を
  滅ぼしたのはジャゴヌバ…
  それは、まるきり間違いと言うわけでもない。
  
  だが…『この先』を語る事は、
  我ら天使の禁忌に触れる。


『 禁忌…そうか。
  喋ったらまた『罪付き』になってしまうか。


名を語るのもはばかられる程の存在…
一体、何者だと言うのだろう。
まあ、おっさんに迷惑をかけてまで
聞き出すワケにもいかないか。

しかし話を切り上げようとしたら
彼は意外な事を口走った。


『 ふむ。でもまあ良いわ。
  特別に教えてやろう。

『 えーーッ!?軽ッ!
  いいのかよ!


『 なに、貴様ら冒険者を引き入れた時点で、
  バレるのも時間の問題よ。

  それにー…

  今や『時代』は変わろうとしておる。
  わしら天使も、大きく変わらざるを
  得ん程に、な。


…そうなれば、わしも晴れて無罪放免よ、と
おっさんはニヤリと笑った。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 魔界に降りたのなら、
  おそらく知っていよう。
  滅神としてのジャゴヌバと
  その眷属、七柱の邪神は…

  【アストルティアで誕生した】のだと
  言う事を。
  
  そう。ジャゴヌバは元々、
  神と呼ばれる存在では無かったのだ。


『 なんだって…?


『 心して聞くが良い。

  奴の本当の名は…
  【 ジア・ゴヌヴァ 】!

  突如、揺り籠を襲撃してきた
  星界よりの侵略者達の、
  たかが一員にすぎぬ。

  そして、その侵攻勢力の名が…


  【 ジア・クト念晶体 】!!


  我らの遠き故郷は、彼奴らによって
  滅ぼされたのだ…!


『 ジア・クト……!
  
『 そうだ。



『 えー、燃焼…体…?


『 ……『念晶体』じゃ!
  意志と思念を持つ、ヒト型の
  鉱物生命体とでも言うべき種族よ。

  ちなみに燃焼ボディが欲しければ、
  キタエルと言う天使の所で
  エクササイズするが良い。


『 お、おう…
  それで…そんなにヤバい奴らだったのか、
  そいつらは。


『 ヤバいなんてモノじゃないわ!

☆   ☆   ☆ ☆   ☆    ☆


…その後のおっさんの説明によると…

ジア・クトは、
その一個体の戦闘力を取っても凄まじい物だが、
その真の恐ろしさは、
奴らの使う兵器にあったのだと言う。

奴等の兵器が放つ謎の光に触れると、
ヒトはおろか、動植物…有機体という有機体は
結晶化…(石化?)してしまうのだそうだ。

そして、それを治す術はおそらく
『存在しない』。


( おいおい…そんなんアリかよ…


故に旧世界は、瞬く間に蹂躙されたのだと言う。

若き女神ルティアナの先導の元、
僅かな生き残りは箱舟に乗って星界に逃れた。


箱舟の名は…

『 フォーリオン 』…

まるで実感が湧かないが…
おれが今立っている、天星郷そのものだと言う事。


( 途方も無い話だ…


永き旅路の果てに辿り着いた宙域に、
女神はこの世界…アストルティアを創世し、
ジア・クトの追跡の目から逃れるために、
強大な結界を張った。


それで一安心かと思いきや…
結界が完成する前に、
アストルティアに入り込んでいたジア・クトも
僅かながらいたのだ。
その一体が、ジア・ゴヌヴァだったと言うワケだ。


☆   ☆    ☆   ☆   ☆


ゴヌヴァは皮肉にも、
奴を討伐するために放たれた
創生の力を吸収し、
まったく別の存在に変容する。


そして……

大いなる闇の根源、
異界滅神ジャゴヌバが誕生した。


( これが長い長い、
  光と闇の戦いの始まり、か。


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 そして今、女神亡きこの世界は
  再び、奴等の脅威に
  晒されようとしておる。


…それに対抗するため、天使達は
歴代の英雄に『神の力』を与えようとしたが…
ジア・クトに逆手に取られて
彼らは悪神になってしまった。

それが、最近巷を騒がせた悪神騒動の
真相だったらしい。


『 だが、エックス殿の活躍で悪神の浄化も進み、
  残すは双子の勇者の片割れ…
  レオーネのみ。

  奴への警戒の為に精鋭が出払い、
  人手が足りなくなったので…


『 おれら冒険者にお呼びが掛かった、と。


『 そう言うことだ。
  何、浄化さえ無事終われば、
  この世界の安寧は守られる。
  もう一息だけ協力を頼むぞ。


だが…我々の願い虚しく、レオーネの浄化は失敗。
天星郷の空に奴等の居城、『魔眼の月』が登るのは、それから少し後の事になるのだった。


~その名ジア・クト、了~
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