【災厄の王・第一章】
災厄の王に挑むのは、今回で四度目となる。
最初は、副長と二人+サポ六人で様子見。
二度目は、団員達を中心に五人+サポ三人で。
そして三度目は、チームの枠を越えた七人+サポ一人。
いずれも、こっぴどくやられて帰ってきたのだが、
毎回、敗北の中で何かをつかみとってきたつもりだ。
最初に邂逅したときは、この強大な化け物を相手に、
果たして只の人間が、かなう存在なのだろうか、と笑うしかなかった。
だが、この三度の戦いで、色々なことを学び、
おれは【災厄の王】が、決して倒せない相手ではないことを確信していた。
盟友の【おさむ】さんから声がかかったのは、そんなときだった。
彼の尽力により、我々は今回ついに、八人のフルメンバーで、災厄の王に挑む機会が設けられた。
おさむさんの呼びかけによって、三人の勇士達が集められる。
おれを含めて、あと四枠の選出を、ザラさんに頼みたいのですが、と、氏は言った。
おれは彼に了解の旨を伝え、
盟友の中から、希望者を募った。
こうして、八人のメンバーは揃えられた。
【第一PT】
【噛みの勇者】 おさむ氏 (両手剣、オノ戦士)
【ザ・スーパースター】まつかぜ氏 (ツメ武闘家)
【噛み々の監視者】 いち 氏 (ハンマー&盾バトマス)
【エンターテイナー】 ワカ 女氏 (ステ盾僧侶)
【第二PT】
【 お れ 】 ザラターン (ステ盾&棍僧侶)
【スラチャの鬼才】 ほむさん (ステ盾僧侶)
【リーネの姉さん】 ムリーヤ姉さん(片手剣&盾戦士)
【目覚めし魔法戦士】 ミラージュ殿 (片手剣、盾&杖魔法戦士)
わかる人にはわかると思うが、
第一PTのメンツが、かなり恐ろしいことになっている(二重の意味で)。
こちらサイドの面々も、ひそひそ声で
「緊張してきた~;」などと騒いでいた。
せいぜい、足を引っ張らないようにしなくてはー・・・;
おれは、一応、作戦会議はするべきか、と彼らに問うてみた。
すると、まつかぜ氏はニヤリと笑い、こう答えた。
まつかぜ氏 「それは、隊長にお任せしようw」
ふむふむ。作戦は、おさむさんが決めるのか。
おれは、おさむさんが口を開くのを待った。
(そもそも、口を閉じている時間がほとんどないけど;w)
おさむさんは、お洒落な眼鏡を光らせながら、
さわやかな笑顔をおれに向けた。
おさむさん「今日の隊長は、ザラさんですよ^^」
え >((((゜ε゜;))))< え
ザラ 「えーーーーーッそうなん!!?」
まつかぜ氏 「存分に使ってくれ!」
おれは、昨日、おさむさんに
【災厄の王討伐】に「お手伝い願いたい。」と言う言葉を聞いて、
二つ返事でOKしたつもりだったのだが・・・。
どうやら、災厄の王に苦戦するおれ達(災厄の王を討伐してない人)を、手助けしたいと思った
おさむさんが、「手伝ってもらいたい」、と言葉を偽って、まつかぜ氏にも声をかけ、おれを呼び出したらしかった。
確かにおれは、いつも多忙そうな彼らを、こちらの方から救援に呼び立てることは、まずしないだろう。
考えてみれば、この豪傑達が、おれなどの助けを必要とするわけがないのだ。
おさむさん・・・何という男よ・・・
驚愕するおれを尻目に、
ほむさんは、苦笑いしながら、仲間内だけに聞こえる声で囁いた。
ほむさん 「やっぱりか。」
ほむさん 「ハメられたねw」
どうやら彼女には、だいたいの察しはついていたようだ。
こうして、ザラ率いるものすごい濃い(おれ以外)軍団は、
闇の溢る世界へと、突入して行ったのだった。
~~~つづく~~~