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元騎士

ザラターン

[ザラターン]

キャラID
: ER367-139
種 族
: オーガ
性 別
: 男
職 業
: バトルマスター
レベル
: 130

ライブカメラ画像

2D動画 静止画
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ザラターンの冒険日誌

2024-05-18 22:05:04.0 2024-05-19 13:56:54.0テーマ:その他

天星(14)(ver6範囲までのネタバレ注意)

無事、手頃な浮き島へと着地したおれ。

何だかんだ、天使のおっさんの創り出した光輪が
ワンクッションとなってくれたおかげで
命拾いしたようだ。


『 しかし、あのでかいのはどうなったんだろうな?  さすがに、あんな化け物でも、
  この高さから落ちたら助からんだろう。


…おっさんが遅れて降り立ってきたので、
鞄から『賢者のせいすい』を二本取り出して、
一本を彼に投げて寄越す。


『 そう思いたいけど…楽観視はできないな。
  多分だが、ジア・クトは飛べるんだ。
  戦場で宙に浮いてた奴を何体も見た。

  どうやって飛ぶのかは知らないし、
  長時間飛行できるのかも分からんけどね。


正直このまま くたばっててくれてたら
とてもありがたいのだが…

そんな事を語りながら二人、
腰に手を当て、聖水で喉を潤おした。


『 しっかし…ハァーッ!
  五臓六腑に染みるなあ!
  水がこんなに美味いとは!

『 だな。実感するよ…
  自分が今 生きてるんだ、って。


…だが、そんな生の実感も束の間。


突如、眼下の浮き島で爆発が起こったと思うと、
そこから飛び出して来た影が
猛スピードでこちらに飛んで来るのが確認できた。


『 くっそ、案の定だ!

『 ひ、ひいィィーッ!?


あのスピードは…
聖天のつばさの全速力よりも大分速い。
恐らく、逃げ出しても追撃は免れないだろう。


『 おっさん、誰か助けを呼んで来てくれないか!
  二人で逃げたら多分、一網打尽にされる。

『 おいおい、貴様はどうする気だ!
  死に役だぞ!

『 折角あんたに拾われた命だ。
  無駄にはしないよ。
  さあ!問答の時間も惜しい!早く!

『 くっ…!
  すぐに援軍を連れて戻る!
  何とか持ち堪えてくれよッ!?

『 おう頼む!


…決死の強がりで おっさんを送り出すと、
おれはイロンの注意を引きつけるべく
奴に良く見えるよう、
崖ぎわに立って剣をかざした。


『 “ジア・フラァアーイト“ッ!!


間もなく、奴の野太い声が
響き渡り始める…


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


『 ジア・クトにィ…!

  『場外負け(リングアウト)』はァ…!


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆



『 ぬァァアいッ!!


奴の着地と同時に、再び地響きが起こる。

一対一で奴と対面する恐怖、そして威圧感は、
先程の比では無かった。
顔が引きつり、何故か笑みすら込み上げて来る。


『 でもォ…
  さすがのボクも破壊されるかと思ったよォ!
  少ォしだけ…だけどねェ!

  是非お礼をしないとねェ…
  そんなスリルを与えてくれた
  キミにはァ…ッ!


イロンの顔が邪悪な笑みで歪む。


( さてどうする おれ。
  どう生き延びる…!?

『 そ、そう簡単に行くかな?


上擦った声で応えながら、とりあえず
“ファランクス“、“不動の構え“…
密かに守りを固める準備を整えてゆく。


『 行くさァ…!
  そりゃもう、簡単に…ねェッ!!


イロンが地を蹴る!
おれは素早く大盾を構えた。


『 “ジア・パァァァンチ“ッ!!

( “大ぼうぎょ“ッ!!


☆   ☆   ☆ ☆   ☆   ☆


盾越しに、凄まじい衝撃が我が身を襲う。

『 ッ!!

長靴が熱を帯びて、土埃を立ててゆくのが
伝わってくる。
そのまま地を擦りながら数メートル後退した所で
ようやく我が身は踏みとどまり、
どうにか衝撃を堪え切る事ができたのだった。

歯を食いしばったままの口から、荒い息が漏れる。


『 おやァ…
  ボクのパァンチで吹っ飛ばないとはァ…?

  傷付くねェ…!
  プライドがァ…傷付くねェッ!


息つく暇も無く。
奴は再び素早く距離を詰めてくると、
今度はその拳で乱打を始めた。

ファランクスによる守りのオーラと、
防御専念による相乗効果で
どうにか全て いなしてゆくのだが…


( おい、おいおいおいッ!?
  え!?た、盾が…!


奴の拳による衝撃で、攻撃をいなす度に
我が大盾が、べこべこに変形してゆくではないか。


かくして大盾は
瞬く間に盾の形状を保てなくなり…

おれはたまらず 奴から距離を取って
腕から『盾だったモノ』を取り外し、
それを奴に投げつけた。


『 んな…ろォォッ!!


奴はそれを事も無げに払い除け、
そして勢い良く飛んでいった元・我が盾は、
近くの大岩を見事に粉砕したのだった。


『 グハァァッ!
  甲羅が取れてしまったねェ亀くゥン…
  それでおしまいかなァ、抵抗はァ…!?

『 うるせえ!
  これから…だよォォ!


おれは叫んだ。
正直…ヤケクソだった。


~つづく~
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