ある日、ぼけっとしながら、日課の水やりをして回っていると、
不意に、カタキさんから、協力要請の連絡が入る。
話を聞くと、どうやら、彼女の知り合いが、
とあるコインボスへと挑むらしく、
PTメンバーをあと二人募集しているので、
同行してもらえないか、ということだった。
断る理由も無し。
カタキさんの知り合い、という人物に興味がわいたし、
おれは、チームに居合わせていた副長のアストさんと共に、
二つ返事で承諾した。
そして、その人が、
いったい何のコインを使うつもりなのか、カタキさんに聞いてみる。
彼女の口からでたその魔物の名は、
我々がよく知りつつも、
しかしどこか違和感があるモノだった。
その名はー・・・
【最強Vロン】。
その後、メギストリスで、おれと副長は、
カタキさんに伴われてやってきた、コインの持ち主と合流した。
黒く染め上げた【無法者セット】に身を包んだ、人間の青年。
腰には、黒光りする【冥獣の爪】を下げている。
その名を【ヨシハル】と言った・・・。
ヨシハル氏は、カタキさんと同門にあたるツメ使いの一派
【久能流爪術】と呼ばれる流派の師範であり、
実質、彼女の兄弟子にして、師とも言える存在である。
彼女と同じく、左目を覆う【黒アイパッチ】が、
彼がただ者ではないことを物語っていた。
彼女から、常々その噂を聞いてはいたが、
実際対面するのは初めてである。
カタキさんが、『知り合い』という、水くさい言い方をするので
誰かと思えば、
実はこのヨシハル氏のことだったのね・・・w
我々は、簡単に挨拶を済ませ、作戦を確認する。
※ まだ挑んでない人は、これから先は見ない方がいいかもしれない。
ネタバレになりますw;
ヨシハル氏が仕入れた事前情報では、
この【最強Vロン】は、
我々が以前対峙した【Vロン強】よりも攻撃力が高く、
【甘い息】と【しゃくねつ】のブレス攻撃を持っている、
ということだった。
ふむ、Vロンと戦うのは久々とは言え、
その程度の強化では、
我々が負けることなど、あり得ないだろう。
そうタカをくくり、我々はキャッキャうふふと迷宮に赴き、
3分待たない間に全員瀕死となって街に戻ってきた。
何が起こったのか、全員が目を白黒させる中、
とりあえず反省会を開いてみる。
Vロン戦は、ターンに余裕を持たせて戦うのが、
冒険者達の間ではセオリーになっている。
今回も例に漏れず、我々は、Vロンが甘い息を吐き出したのを確認して、
一斉に行動に乗り出した。
後衛は強化の呪文を詠唱し、
前衛は、奴に虎爪を繰り出す。
完全にこちらのターンの筈だった・・・。
だが、この赤き竜は突然、こちらの行動に割り込んで、
強烈な地震攻撃を放ってきたのだ。
不意を突かれ、
慌てふためく我々は、その攻撃を見事に喰らい、
一瞬で全滅した、というわけだ・・・;
一呼吸に二度の行動。
魔物達の中でも、
上位に位置する一部の者だけにしか許されない特殊能力。
今度のVロンは、それを引っ提げて戻ってきたというのか。
幸い、ヨシハル氏はこのコインを4枚所持していたので、
我々は再戦に挑むことができた。
二戦目ー・・・
【たまに二回行動】することさえ頭に入れておけば、
それほど苦戦する相手ではなかった。
だから、4枚もらえたのか、と、ヨシハル氏は苦笑する。
だがまあ、なかなかに楽しい戦いだった。
さて、報酬は何だろね・・・?
我々は、出現した、赤い宝箱に駆け寄った。
中身はー・・・
【Vロンタンス】
うん、知ってたw
~~~FIN~~~
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ついでに色々いってきました!
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報酬は
【ストレートタイプのめんつゆ×6】
でしたが何か・・・?
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