さんざんしぬようなめにあいながら、ようやく大魔獣イーギュアを倒すことができた。この表現は正確ではない。さんざんしんだ。しにまくった。
氷の領界をクリアして、次の領界に進む前に残クエストやサブストーリ—を片付けていたところ、ちょっと顔が怖い村長の奥さんから、リルチェラに新しいふとんをつくりたいので、ぬくぬくどりを200羽倒すか大魔獣イーギュアを討伐してほしいと頼まれた。
イーギュアの名前には覚えがある。遺跡にいたキングレオみたいなやつで、あのときは回線が重くてけっこう苦戦をしたのでリベンジがてらちょうどいいやと思っていたのだが、リクオイズフレンドからあれすごい強いぞとクギを刺される。そりゃあ弱くはないがあれならフロスティのほうが強かったよと思い、流氷の向こうにいる白いキングレオに突進する。
ミンチにされる。
なんかこれ病気みたいに強いよ?話によれば大魔獣は魔獣の父さんらしく、つまり三兄弟を生んだ三父さんというケモノの世界の存在だが、二回食らえばしぬ攻撃を連続や範囲で繰り出して、しかも三匹いっせいに襲いかかってくる。しんではいきかえるゾンビ戦でも追いつかない。つまりぬくぬくどりを200羽倒すのが常識で、大魔獣に挑む人はおかしい。おかしいですよ!というわけだ。
だがあまりにも強いので、これだと状態異常が効かなかったらもう打つ手がないよと思った。そんで占い師で星を置いてみたら寝かせるのに成功したけどみなごろしにされた。これで寝なかったらあきらめていたが、なまじ勝つ方法があるので挑むことにした。これもぬくぬくどりを守るためだ。
詳しい攻略法は他のサイトを参考にして欲しいが、エテマメはエンゼル世界とわたぼう&バズズ星を用意したくらいであとは普通の占い師攻略だと思う。というか同じ答えにたどり着くヒトは多いと思う。
サポートメンバーはご近所のおしゃれなエルフのサーシャさんと、なまっちろい外見のくせにロザリオと武器ガードが頼りになるリクオで固定。酒場で強いヒトを探しても能力を把握しきれないので、知己のメンバーで挑んだ方が作戦を立てやすい。もう一人は蘇生といてつくはどうが使える賢者さんを探してきた。よろしくな。これから君たちはしぬよ。
そしてここからが攻略のキモ。それはどんな作戦を立てるかではなく、どれだけ諦めずに続けられるかだ。エテマメの場合、まず最初から全滅するつもりでいろいろな戦法を試してみた。前衛に戦士を置くとか全員を盾持ちにするとか攻撃特化で速攻を挑むとか、思いついた方法とメンバーで試してみる。せかいじゅのはとけんじゃのせいすいが湯水のように消えていく。
「だって最初からそのつもりだし」
「ちいさなメダルがあまってたからちょうどいいや」
こう思わないとここで諦めたら試合終了だよ。作戦を考えたらいよいよ挑戦するが、そのときもなるべくかんたんな方法かつ毎日の「やめどき」を決めておく。まずはリクオイズフレンドのアドバイスで、ルーラストーンと復活場所を聖塔前に設定する。挑んで全滅して復活して再挑戦、MPがあるていど減ったらその日はもうあきらめる。もうだめだという状況になる前に、今日はここまでにしといたると戦略的後退をする。そして最後に日記に「おれぬ こころ」と書く。
占い師の強さはカード以外の行動をどれだけ使いこなすかで、審判や世界が手元にあってもせかいじゅのはやスペルガードを使うとか、そういう攻略のコツみたいなものはもちろんあるのだが、正直なところそんな枝葉の方法よりも、どうすれば諦めないかが攻略のキモなのだ。
まずはサーシャさんが一匹倒してくれるまでとにかく粘る。何度も全滅して理解したのが「起きているイーギュアが二匹いるとぼくたちは全滅する」ことだ。つまり一匹倒した瞬間に勝利を確信して、勝った!第三部完ッとか思ったときが一番ヤバイ。
そして一匹倒れるとマダンテを狙ってくるが、これはごほうび行動で、サポート仲間は範囲外に逃げてくれるから自分だけスペルガードすればいい。間に合わなくても自分がしぬだけだから気楽なものだ。むしろ仲間がしんだときはせかいじゅのはを惜しまず使う。サーシャさんの残りMPが不安になる前にけんじゃのせいすいをぶつけておく。なにしろHP50000近くあるイーギュアをこのヒトに落としてもらうのだ。
そんなわけで、心の中で聞こえるずしーんという轟音とともに最後の父さんが倒れる。これでぬくぬくどりの平和と村長の奥さんのコメントと、ついでにビーストエンプレスの称号をもらうことができた。
だが称号はいまいちかっこうよくないので、せっかくだから「やわらかぬくぬくどり」をしばらく名乗ることにしようと思う。