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ぬくぬくどり

マメミム

[マメミム]

キャラID
: IB818-138
種 族
: 人間
性 別
: 女
職 業
: まもの使い
レベル
: 130

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マメミムの冒険日誌

2023-04-13 17:09:47.0 テーマ:シナリオ・クエスト攻略

長文)愚かなものたち(Ver.5.1中盤ねたばれ)

あいかわらず足もとがお留守だなと、ユシュカに挑発されたヴァレリアはファラザードに宣戦布告するとジャリムバハ砂漠に遠征する。国境の門に向かってみると、衛兵が呼び出されたあいだにバルディスタの通過を許してしまったと当惑している姿がある。これでいろいろ想像できる。

・ファラザードはバルディスタを砂漠に誘い込むつもり
・ゼクレスはバルディスタの背後を突くつもり

バルディスタはヴァレリアだけがべらぼうに強いから、これに勝つかんたんな方法はヴァレリアとは戦わないことだ。爆弾ひとつでバルディスタを止めたユシュカはそれを知ってるし、事態を静観しているゼクレスもたぶん知っている。そこまではわかる。

問題はそのあとだ。ファラザードはヴァレリアを誘う危険を引き受けるかわりに、魔瘴の巫女イルーシャを手に入れた。ゼクレスは戦力を温存できるけどイルーシャを奪われる。できれば二国ともお互いに消耗してもらいたい。ヴァレリアの独断でバルディスタの兵士がむだじにすることはすでに決まってる。

だめだなあと思ってしまう。

封鎖されたファラザードに向かうために滅びたネクロデアの地を進む。ここはユシュカの忠臣ナジーンの祖国で、崩落した城で当人に会うことができていろいろ事情を知らされる。かつてこの国を滅ぼしたバルディスタの狂人ゾブリスと、それを封じた魔剣アストロンの存在だ。

ゾブリスはバルディスタの歪みを体現した人物で、人が絶望するのが楽しいという理由でネクロデアを滅ぼした。ネクロデアの高度な技術は霧散して、バルディスタにはなんの益もなかったけど、あの国は強ければなにをしたっていい。部下には厳しくできないヴァレリアの下で、ヤイルと同じくゾブリスも野放しにされていた。

生き延びたナジーンはユシュカの志を知って彼に従うと決めたけど、困ったことにナジーンが大人なのにユシュカは子供だった。協調を解くユシュカが他人と協調できずにいることを、ナジーンは心苦しく思っていた。これだけの志があるのだから、大人になれば大魔王にだってなれるのに。

封印を解いてでも魔剣を求めた、マメミムに協力を求めたナジーンの心境は想像できる。

ひとつは切り札だ。誘い出したバルディスタを撃退しても、すぐあとに控えているゼクレスとの戦いで優位に立つために何が必要か。勝利は二国のものだ。イルーシャを手元に置いても魔界全体のためにはならぬ。だけど魔剣アストロンがあればバルディスタが逃したネクロデアの技術をファラザードが手に入れたと宣言できる。

もうひとつは過去との決別だ。ゾブリスを倒して無念を晴らしたネクロデアの継承者がユシュカに従う。それでナジーンは過去を振り払って未来に進むことができる。マメミムに協力してもらうことで、ナジーンは恩人と恩人をとりなすことができる。ユシュカのいう協調が必要なのだと、ユシュカ以上にナジーンは知っている。

「それならなぜ彼女とは協調出来ないのですか」

ユシュカのために、ファラザードのために、魔界全体のために、これだけ考えられるやつが本当は大魔王とか目指したほうがいいのになあと思ってしまう。ユシュカは拗ねると思うけど、どうせマメミムが選ばれても拗ねてるんだからおんなじことだろう。

魔界の最高傑作どうぐ使いのマメミムが負けるはずもなくゾブリスは倒されて、魔剣アストロンがナジーンからユシュカに献上される。砂漠の難所を引きまわされたバルディスタは兵を退いて、バザーの人々は被害がほとんどなかったことに安堵する。魔剣を得たユシュカはゼクレスと共闘してヴァレリアを追撃にーーー

なんでそうなるんだよ!?

いちばん犠牲が大きくなる未来がこれで決まってしまう。ユシュカが取るべきは「ファラザードが勝ったバルディスタが負けた」と吹聴してまわることで、それだけでバルディスタは瓦解する。ヴァレリアが求心力を失えば、彼女に対して手を差し伸べることだってできるだろう。勝利もイルーシャも魔剣も手に入れたはずのユシュカが、戦場に行ってよろこぶのはゼクレスだけなのだ。

自分の予想がはずれればいいのになあと思いながら、最悪の未来が実現していくのはきぶんがよいものではない。このまずい決断のせいで、今度はファラザードの兵士たちがむだじにする。ナジーンはどこまで見えているのかわからないけれど、ユシュカに従うことを決めた彼が迷うことはないだろう。

戦争できれいごとを言うつもりはない。卑怯でも卑劣でもかまわない。避けられない犠牲ならいちばん少ない方法を、いちばんむだじにがなくて済む方法を選べと言いたくなってしまう。私怨のために、絶望のために、傲慢のために兵士をしなせるのが魔王というならば、そんな魔王はいらないだろうと思うのだ。

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