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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2014-06-13 23:19:49.0 2014-06-17 01:22:10.0テーマ:その他

なりきり冒険日誌~ドラゴン・キッズ・クエスト(5)

「ところで姫様、この子たちの名前は?」
「そうねえ」

 姫君は首をかしげた。
 名前か…。私もドラゴンキッズを仲間にすると決めた時、何通りも名前を考えた。
 結局、コドランに勝る名前は見つからなかったが…

「二人いるんだから、対になるような名前がいいわよね」

 頬杖をついて思案顔。口元のホクロが思慮深い表情に色を添える。
 果たして、勇者姫のネーミングセンスやいかに。

「太陽と月…グランゼドーラのドラゴン…」

 ポンと、手を打つと、王女は顔を上げた。

「決めたわ! この子はグランゼドーラを守る太陽の竜、ソーラ・グラン・ゼ・ドラゴーン3世!」

 ……?

「そしてこっちの子は月の竜、ルナル・グラン・ゼ・ドラゴーン3世よ!」

 ……長い! そして何故3世? 王侯貴族のセンスというのは、たまに我々の理解を超えているものだが…
 ひょっとしたら彼女にも、もっと長い本名があるのかもしれない。故事に倣うならアンルシャーナ・エル・シ・グランゼドーラとか…

「あら、長すぎるとダメかしら?」

 いや、ダメではないが登録所で受け付けてくれないだろう。権限を利用してゴリ押しするなら別だが。

「まあ、決まりがあるのね。うぅん……」

 またも思案顔のルシア姫。
 こうしてドタバタ劇を演じている時の彼女は、どこにでもいる普通の少女のようである。思えば、こんな年若い少女が世界の運命を背負わされているわけだ。
 彼女が城を抜け出してきたのは、本当に竜討伐のためだけだろうか? たまには友人達と城を出て息抜きをしたい……そんな気持ちがなかったと言えるだろうか?
 もしこの邪推が当たっているなら、あまりリラを叱るのも良くなさそうだ。まさか、彼女がそこまで見抜いて馴れ馴れしい口をきいたとも思わないが……

「では、本名はさっきのまま、登録名はソーラドーラとルナルドーラで!」
「よろしくね、ルナちゃん」

 早速リルリラが片方の竜を抱き上げる。どうも、私は太陽側を担当することになりそうだ。
 まだ勇者姫に抱かれたままの頭に手を伸ばす。ソーラドーラは奇妙なものを見る目つきで私を見上げていた。一体何を考えていることやら。

「よ、よろしく頼むぞ、ソーラドーラ」

 ふむ……ソーラドーラでもまだ長い。ソラとでも呼ぶか。
 掌が頭に触れると、思ったよりつるりとした鱗の感触に一瞬驚き、その内側で脈打つ律動の強さに二度驚く。小さな体に似合わぬ力強い生命のリズムだ。
 私は姫から仔竜を受け取り、抱きかかえる。いや、抱きかかえようとした。

「お、おいこら、暴れるな」

 どうも、彼女から離れたくないらしく、抱き寄せる私の手から逃れようとジタバタもがく。早速私の腕にひっかき傷ができる。やれやれ、前途多難だ。
 勇者姫はその光景にクスリと笑みをこぼした。

「ねえ、ミラージュさん。勇者の物語ってご存じかしら」
「物語?」

 私はソラを抱き上げつつ、勇者姫に向き直る。姫は瞳を閉じ、夢見るように語った。

「勇者が窮地に立たされた時、盟友達が竜の背に乗って助けに来る……そのシーンが私、一番のお気に入りなの」

 顔を上げる。瞳にきらりと、星が揺れたようだった。

「ミラージュさんやリラが、大人になったこの子たちと助けに来てくれたら、きっと頼もしいでしょうね」

 グルルン、グルルン。ソラとルナが嬉しそうに鳴き声をあげる。彼女の言葉が分かるのだろうか。

「残念ながら、姫。ドラゴンの寿命は長いと聞きます。我々が現役の間には、この子らが大人になることは無いでしょう」
「まあ…」

 夢も希望もない私の台詞に、少女は口を尖らせる。
 そしてややあって、悪戯っぽく笑うと、

「では、次の世代に期待しましょうか」

 と、言った。
 私はじっと、その瞳を見つめ返した。
 次の世代。
 何か、途方もない言葉を聞いたような気がした。
 魔族との戦いもますます激しくなるであろう現在、それは辿り着くことができるかどうかすら不確かな未来だ。
 だが混沌とした今の世を救うのが彼女に課せられた使命なら、勇者姫が夢を見られる場所は、その先の時代にしかないのかもしれない。そう、今を乗り越えた場所にしか。

「この子たちをよろしくお願いします、リラ、ミラージュさん」

 勇者姫が片手を伸ばす。リラがそこに自分の手を重ねる。
 躊躇いがちに、私も手を重ねる。

「誰か忘れてニャーか?」

 飛び入りで、ニャルベルトも肉球を重ねた。

「あら」

 勇者姫は笑った。
 辺境の地に、四つの笑い声がこだました。
 ソラとルナは、その光景に首を傾げながら、ぼんやりと顔を見合わせていた。
 果たしてこの二匹が勇者と共に、伝説に名を残す日が来るのかどうか。
 それは、神のみぞ知る物語である。
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