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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2014-09-04 23:35:36.0 テーマ:その他

なりきり冒険日誌~モグラを追って(2)【ver2.2 ネタバレ有】

 アラハギーロに月が昇る。アルハリアン・ナイトとでも呼ぼうか。そよぐ風がオアシスの水面を揺らし、屋外に設けられた飲食店のテーブルまで届く。酒場と料理店だけが天井の無い野外に儲けられているのは、ひとえにこの夜空を楽しみながら食事するためではないか、と私は思っている。
 果汁の溢れるアルハリ産オレンジでのどを潤し、締めのデザートとして取り出すのは、ドルワームからこっそりと持ち込んだ銘菓、砂漠の月。
 アルハリ砂漠の月を見上げて、ドワチャッカの月を喉に放り込む。なんとも贅沢な甘みが口の中に広がっていった。
 いい気分で町を出ることができそうだ。そう、もうじき出発だ。
 こんな時間だが魔法戦士団に時刻は関係ない。賊の蠢く時が出発の時間だ。
 街で仕入れた情報によれば、もう敵は動き始めているはずである。  アラハギーロで盗賊団の調査を担当しているのは、ダラシュという名の若い兵士だった。
 もっとも、彼に限らずこの国の兵士の多くは若い。件の戦争の傷跡だ。
 それだけに彼ら残された兵士も、さぞ苦労していることだろうと、私も同情的な視線で接していたのだが、それは少々早急な判断だったらしい。
 件の盗賊団について尋ねると、なぜか気楽な口調で彼はこう答えた。

「ああ、それなら盗賊団っていうか、砂漠の土竜っていう盗掘団ですね。あいつら神出鬼没なうえ、魔物まで使うせいで、全然、捕まらないんですよね~」

 妙に能天気な返答。何だろうか、この違和感。白けた空気が渇いた空気に混ざり始める。

「あ、調査するなら勝手にやってください。話は通しておきますんで」

 ……この男、やる気があるのだろうか? 砂漠にまかれた水のように、同情は乾いて消えていった。
 犯罪捜査の現場にこういう男しか残っていないのだとしたら、戦争がこの国に残した傷の深さは、想像以上のものと言わざるを得ない。
 溜息と共に手続きと必要な情報だけを引き出して、その場を後にする。ダラシュは手を振って見送ってくれた。
 とりあえず、オーディス王子のための人物録に載せる必要は無さそうな男である。

 ……だが、これが始まりに過ぎないことを、この時の私はまだ知る由もなかった。
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