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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2014-09-28 00:05:35.0 2014-10-30 23:40:08.0テーマ:その他

なりきり冒険日誌~大空を飛ぶ(7)【ややネタバレ有】

 色とりどりのドラゴンが殺到する。
 私は氷の理力を身にまとい、赤竜に狙いを定めた。ソーラドーラがそれに続く。乱戦を制すには、数を減らすこと。敵を絞り込む。速攻!
 が、竜たちも黙って通してはくれない。
 竜の牙が、爪が容赦なく私の頭に振り下ろされた。盾に牙を咬ませ、剣撃が爪を払う。

「チィ……!」

 舌打ち。傷は無いが、足は止められた。
 一方、竜たちの身体をくぐりぬけ、ソラが赤竜に向けて突出する。この形は予定と違う。分断され、速攻は不可能となった。
 波状攻撃が始まる。火炎が地を薙ぎ払い、凍てつく吐息は風を凍らせる。
 予定とは正反対に、序盤は防戦一方となった。……焦る!
 赤竜の吐息がソラを襲い、巨大な爪が小さな体を吹き飛ばした。傍目には、致命の一撃と見えた。

「子供には土台、無理な試練であったか」

 竜の長が瞳を閉じる。
 だが、次の瞬間、ソラの小柄な肉体はマリのように飛び跳ね、再び赤竜に向かっていった。小さな翼で攻撃をかいくぐり、巨竜の懐へともぐりこむ。

「むう……!」

 長が声を漏らした。
 男児三日合わざれば括目して見よ。ましてソラは竜の子供だ。
 先の戦いから、ソラの最大の弱点がその耐久力にあると考えた私は、このひと月、そこを重点的に鍛え上げた。
 ある時は恐竜の巨体にもまれ、またある時はメタルキングを追い回す。
 所属する「豊穣の月」の仲間たちにも手伝ってもらった。彼らの協力がなければ、これほどの短期間で仕上げることはできなかっただろう。
 そしてひと月。仔竜の肉体は柔軟にその成果を受け入れ、非凡な成長を遂げていた。
 今のソラは単純な耐久力で言えば一流のパラディンに匹敵する。僧侶の援護さえあれば、乱戦となっても簡単に沈まないだけの自力が備わっていた。

「いいぞ、ソラ!」

 喝采を上げ、私もまた攻撃をしのぎつつ、勝機を探る。
 敵もさるもの。もし三頭が一致団結して襲い掛かってきたならば、さすがに耐えることは難しかっただろう。
 だが黄色の翼をもつ飛竜はこちらを侮っているのか、少し離れた位置で様子を伺っているのみだった。
 混戦、幾度となく窮地に陥るものの、詰めの一撃が来ない。勝機はそこにあった。

「良し……!」

 体勢を立て直した我々は再び攻勢に転じる。
 剣を赤竜に向けて突き付ける。五色の光が剣先から空を走り、竜鱗に吸い込まれた。閃光! 竜は苦しげに呻く。
 フォースブレイク。あらゆる理力に対する抵抗力を奪う魔法戦士の奥義だ。
 機を逃さず、アイスフォースで爪に冷気を宿したソーラドーラが風となって駆け抜ける。私もまた剣を構え、竜の前に躍り出る。赤竜は苦し紛れに火炎を吐き出した。構わず突っ切る!
 白刃が閃いた。
 凍気熱風を裂き、氷刃熱鱗を穿つ。

「なんだと!?」

 さしもの、竜の長が驚愕の声を上げる。
 断末魔の咆哮とともに、赤竜の巨体が地響き上げて倒れ伏した。
 仲間の敵討ちとばかりに氷の鱗に身を包んだ青竜が飛びかかる。私はフォースを操り、今度は炎の理力を身にまとう。相棒を失った青竜の攻撃には先ほどまでの威力もなく、ほどなくしてこれもまた地に落ちた。
 高見の見物を決め込んでいた黄竜は、仲間たちの敗北を見てようやくその気になったらしい。一方、我々は乱戦を切り抜け、残る一体を取り囲む形となる。もはや勝利は目前化と思われた。
 が、この黄竜が曲者だった。
 気合と共に翼を広げると、続けざまに雷が降り注ぐ。ソラや僧侶たちはそれを避けることができない。包囲網は一気に崩壊する。
 立て直そうとする僧侶たちを、耳をつんざく激しい雄たけびで追い打ちする。怯んだ僧侶たちに代わり、私が世界樹の雫を振りまく。かなりの高級品だが、使うべき時に使わねば意味がない。
 雷と咆哮が、何度仲間たちを弾き飛ばしたか。
 もし、他の二頭と連携してこの技を使っていたならば、我々とて太刀打ちできなかったに違いない。
 だが、今の奴はただ一頭。

「ええい、何故最初からそれをやらぬか!」

 竜の長が歯ぎしりする。どんな重傷を与え、どんなに足を止めても、あと一歩が届かない。私は薄く笑みを浮かべ、剣を構え直した。
 思うに、竜という種族は強すぎる。生まれ持った力だけで大抵の敵をなぎ倒せるが故に、戦術を学ぼうとしない。

「強すぎるというのも考えものだな、竜の長よ」

 一方、彼に挑むドラゴンキッズは、私の号令のもと、懸命に小さな爪を突き立てる。
 僧侶たちの治癒の呪文が傷つく体を支え、フォースとバイキルトが援護する。
 黄龍の体力も、ついに限界を迎える時が来た。
 飛竜が膝を屈する。
 赤と青、そして黄。全てが地に伏し、立っているのは、小さき者たち。
 ソーラドーラは小さな翼をピンと立て、荒い息のまま雄たけびを上げた。
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