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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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写真コンテスト

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ミラージュの冒険日誌

2015-01-14 23:40:10.0 2015-01-17 17:04:32.0テーマ:その他

【2.4ストーリーネタバレ注意】なりきり冒険日誌~宴(2)

◆                                                                    ◆  宴はなおも続く。
 押し寄せる各国の代表者、祝いの席に花を添える旅芸人や歌い手たちのため、普段は立ち入り禁止の、王族のためのフロアまで解放しての大騒ぎである。
 ほうぼうの体で宴を抜け出した私は、ほろ酔い気分に包まれた王宮の一角に、ほんの少し、しめやかな空気が漂う場所があるのに気付いた。
 宴の喧噪の中、細く耳に届く静寂の空気が私の頭を覚ましていく。
 衣装の乱れを正す。私は深く息を吸うと、静かにそこに近づいていった。
 一本の剣が、そっけなく、しかし大切に飾られている。
 もう、使う者のいなくなった剣だ。
 この剣の持ち主のことを思うと、胸に熱いものがこみ上げてくる。酒のせいだろう、私は少々、センチメンタルな気分になっているようだ。
 
 仮初めの勇者を、ただひたすらに演じ続けた男の名を、私は決して忘れないだろう。
 生まれついての勇者でないからこそ、誰よりも勇者であろうとしたのか。
 彼が最後に放った輝きは、まさしく勇者の名にふさわしいものだった。
 私ごときが杯を交わすのも不遜だが……。彼の生きざまに向かって、ささやかにグラスを持ち上げるくらいは許されよう。
 酔うでもなく、味わうでもなく、ただ静かに喉を流れる果実酒の仄かな苦みに、私はしばし、瞳を閉じた。

 風に当たろうとテラスに顔を出すと、寂しげな鳴き声が空に響くのが聞こえた。ソーラドーラだ。
 手を振ると黄色い翼が隣に降りてきたが、視線は別の方向を向いていた。
 エテーネ島の上空、黒渦を見つめ、高く嘶く。

 魔王との戦いの後、起きた出来事については、あえて誰も語ろうとしなかった。
 私自身、あの黒渦の中で何が起きたのか、わかってはいない。
 だが、何かが動き出している。誰もがそう感じているはずだ。
 ソーラドーラも竜の端くれ。これから起こることに対して、きっと無関係ではいられないのだろう。
 もし、彼が新たな戦いに飛び込んでいくなら、私もまた同じだ。
 ソラの頭を軽く撫でる。嬉しそうに飛竜は鳴いた。

 宮殿から、ワルツと共に歌声が聞こえてきた。
 姫とその盟友を称える歌。そして

「長い物語の、ほんの、始まり……」

 歌声が響く。あの黒渦にも、いつか届くだろう。
 その時まで、私も腕を磨くことにしよう。
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