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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2015-01-27 23:10:42.0 テーマ:その他

なりきり冒険日誌~幸せの伝達者

「おめでとうございます、ミラージュ様。貴方に"幸せ伝達者"の称号を差し上げます」

 シエラ嬢は満面の笑みでそう言った。私としては複雑な気持ちだ。疲労で下を向いた耳ヒレと共に、私の顔も床を向く。

「あら、何かお気に召さないことでも?」

 いや、決してそういうわけではないのだが……  赤土に燭台の火が揺れる。冬だというのに室内が熱気に満ちているのは、炎のせいではない。ガートラントのコンシェルジュ、シエナ嬢の元には今日も多くの冒険者が一攫千金を求めてやってくる。
 かくいう私もその一人。今回は溜まりに溜まったふくびき券を消化しようと、引きも引いたり480枚。
 結果、3等以内が6つ。うち1等が3つなので、なかなかの結果といえるのだが……。

「何か?」
「いや……この称号、3等以内が通算10回で貰えるんだろう?」
「ええ」

 顎に手を当てて首をひねる。スペシャル券の配布開始から9か月にしてようやく10回。これは決して多い方ではなさそうだぞ……? 果たして喜んでよいのやら。

「まあ、そんなことを言うと、恨まれますわよ」

 小声で耳打ちする彼女の周りには、続々と集まり、福引を引く冒険者たちの影。熱気は高まる一方だ。確かに、滅多なことは言わないほうが良さそうである。
 ともあれ、とにかく私は疲れていた。福引を回すのもこれで重労働。480回の単純作業は魔物との戦い以上に体力を奪い取る。

「またおいで下さい」

 にこりと笑って一礼するシエラ嬢。私が福引をする間、爽やかな営業スマイルを一瞬たりとも崩さなかった彼女の忍耐力には、戦慄すら覚えるものである。
 さて、そういうわけで私もかの魔神機に初挑戦の運びとなった。
 戦闘前はかなり緊張したのだが、私以外の三人は既に経験済みだったということもあり、終わってみれば驚くほど呆気ない勝利だった。
 同行したザラターン殿曰く「相手が本領を発揮する前に片付いた」とのこと。
 いずれその本領を目の当たりにする日もやってくるのだろうか。楽しみなようでもあり、恐ろしくもあり……。ともあれ、まずは初勝利を祝うとしよう。砕け散った眼帯の破片を握りしめ、そう思う。……ウム、祝うとしよう。

 それから……。

 いくつかの戦いがあった。
 やがて夜も更けて、パーティは解散。仲間と別れた私はアラハギーロの格闘場に顔を出し、選手として試合に参加していたニャルベルトたちと合流した。彼らも大きな試合に勝利したらしく、ニャルベルトは興奮気味に戦いの様子を語りまくった。
 お互い、堂々の凱旋。
 オアシスの隣で営業する料理店で、武勇伝を語り合いながら勝利とパスタを味わう。
 首に下げた連絡石から、いつになく真面目な声が聞こえてきたのは、そんな時だった。
 オアシスの澄んだ水を、夜風が静かに波立てた。 
 フォークを置き、首をかしげる猫たちを尻目に、私は月を見上げた。  一隻の船が、港を見つけて帆を畳み、錨を下ろした。
 聞こえてきたのは、そんな話だった。
 ざわざわと、風に乱れる水面に、浮かんだ月もまたざわめいた。

 月満ちて欠け、潮満ちて引く。
 誰もがいずれは迎えるその日を、笑って迎えることができたなら、きっと、良い旅だったのだろう。
 思えば、初めて会ったころから、常におどけた風を装いつつ、他者への気遣いを忘れない律儀な男だった。
 最後まで笑顔を崩さずに去っていったのも、あるいは、残された我々への思いやりだったのだろうか……

 などと、しんみりとした気分に浸っていると、酒場の方で何やら騒がしい声が聞こえてきた。
 もしや、と思い、紹介人のミーナー嬢に声をかけ、冒険者名簿を確認する。
 そして……。

 笑った。
 笑ってしまった。
 腹を抱えて笑った。
 そこには、

「やっぱり自分の正装はこれだろ!」

 とのコメントと共に、何とも言えない衣装の……いや、衣装というべきかどうかわからないが……彼の姿が、載っていた。
 やはり彼にはしんみりとした別れなどに合わない。こうやって、笑って別れるのが一番だ。

 後日、都合のつく者だけでささやかな送別会が開かれたのだが、相変わらずの「正装」を崩さない彼の姿に、湿っぽい空気は存在すら許されなかった。
 ひとまずのお別れ。船は無事、港につき、航海を終えた。
 風が変われば、また帆を上げる日もあるだろう。
 その時はまた、同じ海の上で。
 私は海の民。
 ウェディらしく、ゆっくりと波に漂うことにしよう。
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