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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2015-01-31 22:57:08.0 2015-02-01 01:04:00.0テーマ:その他

なりきり冒険日誌~女王陛下のお膝元

 神経質そうな顔つきの少女が、器用な手つきで手元のスクラップを形よく整えていく。いつ見ても見事なものだと思う。私にはただのゴミにしか見えない破片たちを手際よく分類し、独自の手法で繋ぎ合わせていく。見る見るうちにジャンクの群れが神秘的なアンクの形に復元されていった。

「あの……あまり見ないでください……気が散りますので……」

 おっと。これは失礼
 貴族趣味の片眼鏡をかけ直し、彼女は作業に戻る。庶民には珍しいアクセサリーなのだが、少しも嫌味な印象を与えない。
 衣装だって、それなりに凝ったものを着ている。よく見れば、反対隣のカウンターで荒稼ぎをしている彼女の姉と同じような衣装だ。が、あちらと違って全く派手さを感じさせないは、単に色が違うからではなく、このミーネという少女の気質ゆえだろう。そういう部分を姉にすべて持っていかれたような少女なのだ。

「あの……見ないでくれますか?」

 おおっと
 頭を掻きつつ目をそらす。手持無沙汰になった私は、この店に集まってくる冒険者たちの姿を眺めることにした。
 半ばあきらめ気味の、悟ったような表情でドアをくぐり、用事を済ませると「やっぱりね」と肩をすくめて去っていく。奇妙な光景だが、我がヴェリナードの産業を支えているのが、何を隠そう彼らなのである。

 水路を流れる涼しげな水音が今日も町を美しく彩る。ヴェリナードの城下町。女王陛下のお膝元であり、我々魔法戦士にとっては帰るべき拠点でもある。
 が、現金な冒険者たちには陛下のご威光など、どこ吹く風。冒険の役に立たないものに彼らは興味を示さない。
 そんな彼らが連日のようにヴェリナードに押し寄せてくるのは、この店があればこそ、だ。
 この店を目当てに世界中から冒険者たちがヴェリナードを訪れ、彼らを標的として宿泊施設、飲食店、土産物屋といった多くの商人達が競い合う。かくしてヴェリナードの経済は回る。
 こうなれば政府も彼らの存在を無視することはできず、街の環境整備、移動用施設の設置等に関しては、全てこの宝飾店の存在を念頭に置いて計画が立てられるのだという。
 清らかに水の流れるヴェリナードの街。だが金の流れは水の流れと違って、放っておけば自然と流れるというわけにはいかないのだ。

「できました……」

 と、ミーネがおずおずと完成品を差し出す。冒険者たちから目を離し、私はそれを受け取った。いつもながら完璧な仕事だ。

「大事に使ってくださいね」

 ぺこりと頭を下げる。
 そうしたいのはやまやまだが、君の姉君がそれを許してくれるかどうか、それが問題だ。
 逆側のカウンターでは、早くも小悪魔が手招きをしていた。

 ミーネの姉、リーネについては、今更語るまでもないだろう。この世で唯一、アクセサリ合成の技術を持つ女性として世界中の注目を浴びている職人だ。
 恐ろしく気分屋であることでも知られており、魔王などより彼女の方が手ごわいと語る冒険者は数多い。
 さて、今回の強化対象はアヌビスのアンク。かなり鍛えなければブローチと大差ない、それどころか劣るような代物になってしまうのだが、このところ彼女は腕を上げたらしく、以前より成功率が高まっているとのこと。期待させてもらおう。
「でっきた~♪ うまいこといったよ! 君が こいつを気に入ってくれるといいな!」

 能天気な台詞と共に彼女が差し出したアンクには、体力強化の刻印が三つ。度数は2,2,3。それに伝承効果の4。
 なるほど、確かに以前使っていたブローチよりは強化されている。
 ……だが、ここから完成形を目指すとなると、かなりこの店に通う必要があるな……

「また来てくれると嬉しいな!」

 小悪魔を通り越して大悪魔の笑みがその顔には浮かんでいた。なるほど、腕を上げたらしい。ミーネは申し訳なさそうに俯いたままだった。
 聞くところによると、この姉妹は少し前まで生き別れになっていたらしく、リーネが荒稼ぎした金は、妹を見つけ出すために使っていたそうだ。
 その話を聞いた時には、リーネもただの守銭奴ではなかったか、と目を細めたものだが……。
 妹とタッグを組んで更なる荒稼ぎを開始した彼女を見ていると、どちらが本来の目的だったのか、実に疑わしい。

 ヴェリナードも大変な女性を抱えてしまったものだ。今日も今日とて、合成に失敗した冒険者が宝飾店の爆破を計画している、という噂が町を飛び交い、衛士団の面々を悩ませている。
 もっとも、仮に爆破に成功したところで、屈強なボディガードに守られた彼女が傷一つ負うとは思えないが……。

 巷ではアストルティアクイーン総選挙への出馬も噂されているようだ。せめて本物のクイーンに迷惑はかけてくれるなよ、と肩をすくめて私は店を出た。。
 ヴェリナード城下町の、ありふれた光景である。
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