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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

ライブカメラ画像

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写真コンテスト

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ミラージュの冒険日誌

2015-03-21 16:21:02.0 2015-03-21 16:22:56.0テーマ:その他

なりきり冒険日誌~悪夢との戦い・序章(3/4)【夢現篇ネタバレ有・同盟戦なし】

 焦燥を促すように、次々と砂が流れ落ちる。砂時計が時を刻むたびに、私の時間は失われていく。私は焦っていた。時間がない。仔細は省くが、急いでこの事件を解決しなければならなかった。

 足早に先へと進む。
 洞窟の中を砂が流れる。さらさらと静かに時を刻む流砂が光を浴びて、きらきらと輝く。
 先を急ぐ。
 天然の石柱が巨大空洞にそそり立ち、その表面を砂が流れ落ちていく様は、趣向を凝らした巨大建築物を思わせる。
 ……急ぐ。
 横穴を抜けると、眩しい光が降り注ぐ。天然の天窓から光が差し込み、地下洞窟に神々しいまでの輝きが宿り……
 ……ええい!
 私はカメラを取り出すと、続けざまにシャッターを切った。
 急いでいる私の前に、こんな風景をよこすんじゃあない!  ここはアラハギーロ北西部、砂漠の地下に広がる大空洞。人はここをナシームの洞窟と呼ぶ。
 砂漠を砂の大河に例えるなら、ここはさしずめ地下水脈だ。地上を流離う流砂が滝となって流れ込み、地の底へと飲まれていく。渇いた空気はウェディの私にはなじまないものだが、どこか懐かしい。水が一滴も流れていないことさえ除けば、ジュレーの地下空洞によく似ていた。
 目ぼしい景色を写真におさめる。まったく、時間がない時に限ってこれだ。
「お前も愛されてるってことさ」
 と、前を進むドワーフの男が呟いて足を止め、横目で視線を送ってきた。
「……運命の女神って奴にさ」
 ニヤリと笑みを浮かべてウインクを飛ばす。
「女神って奴はどいつも悪戯好きでな。ま、いい女ほど手がかかるってことさ」
 肩をすくめる。甘い台詞に気取った仕草。そして俯くようにして覗き込まねばならない小さな身体。
 緑色の肌。
 このポエミィな油粘土は名をドガといい、トレジャーハンティングを生業とするドワーフの青年である。私は悪夢団に纏わる探索の中で、わけあって彼の宝探しを手伝うことになった。彼が求めるのはナシームの魔眼と呼ばれる宝石で、古代王国時代のお宝なのだという。
「ナシームってのは古代アラハギーロの魔術師でな……額に魔力の源になる宝石をつけてたっていうぜ」
 緑色の額に指をあててドガは解説する。
 私が子供の頃に読んだ物語にも、似たような話があった。その物語に登場する魔法帝国の住民は皆、額に宝石を埋め込まれていたのだ。帝国の中枢から送られる魔力をその宝石で受信することにより、彼らは絶大な魔術を操ることができた。
 だがそれは諸刃の刃でもある。中枢の機能が停止した途端、あらゆる魔術は失われ、彼らは呆気なく滅びたという。
 ナシームにも、似たような悲劇があったのだろうか……等と思いつつ続きを聞いていたのだが、私の期待は大いに裏切られることになった。詳しいことは省くが、なんとも情けない最期である。
「ま、そういうことさ」
 澄ました顔でドガはまた例の甘い微笑みを浮かべた。何故、気取った顔のまま、こんな話を語れるのか……同行した別のドワーフと顔を見合わせる。ドワーフ族の中でも、変わったセンスの持ち主らしい。
 そんな彼だが、宝探しの腕前は本物だった。砂漠に落ちた宝石といえば見つからないものの代名詞だが、彼は見事に探し当てて見せた。
 そしてその途端、胸を押さえて苦しみ始めた。例の痣が見える。これが、私が彼に付き合っていた理由である。

 幸いにして、我々魔法戦士団は解呪の術を操る人物を探し当てていた。アサナギというエルフの青年で、ツスクルの学院で秀才と呼ばれた男らしい。私の友人であるエルフのリルリラも、彼の名をよく知っていた。
「アサナギくんも立派になったんだねえ」
 リラはしみじみと頷いたものだ。
 彼の助けを借りてドガの呪いを解き、襲撃してきた悪夢団の手先も撃退。組織壊滅にはまだ遠いが、まずは一件落着である。
「呪いか……」
 フッ、と、ドガは遠くを見つめる瞳で語り始めた。
「夢は呪いだ、って、誰かが言ってたっけな。叶わなかった夢は心にこびりついて、永遠に人を縛り続ける、って。けど、叶えた夢も同じさ。夢を失わないため、夢に囚われ続ける」
 肩をすくめ、ニヒルな笑みをドガは浮かべた。
「つまり俺達は生まれつき、終わらない夢の虜囚ってことさ」
 俺はそれでいいぜ、と彼は言った。永遠の夢追い人、だそうだ。
 いいことを言っているのだが……どうにも調子が狂う。いや、会ったときから思っていたのだが、ドガよ……
「遠い親戚にウェディがいたりしないか?」
「何のことだ?」
 怪訝な表情を浮かべる。私の思い過ごしか。
 ジュレットによく似たタイプの男がいるのだが。  ま、他人の空似というのはよくあることだ。ともあれ、一つの事件が片付いた。引き続き次の任務にあたる。
 急がねばならない。
 有名な占い師の予言によれば、残された時間は僅からしいのだから。
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