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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2015-04-11 22:57:44.0 テーマ:その他

なりきり冒険日誌~ニャルベルト・ビンゴに行く

 月日は百代の過客にして、行き交う年もまた、旅人なり。エルトナの詩人、バショオ殿の有名な言葉だ。
 しかし最近の旅人は気が短いらしく、やけに足早に私の影を追い抜いていくのが困りものである。
 少し気を抜くと体験が思い出になり、思い出は過去になってしまう。光陰まさに矢の如し。病の床から空を見上げると、雲までが急ぎ足で空を通り過ぎていくようだ。
 幸い、体調も戻ってきたことだし、身近にあった出来事だけでも、風化する前に書き残しておくことにしよう。  その日の私は、まだ体調は万全ではなかったが、薬に頼りつつ、なんとか職場に復帰を果たしたところだった。
 体調に合わせて作戦はMPせつやく、のはずだったのだが……
 いざ現場に立てば目の前には仕事の山。隣にはあくせく働く同僚。頭を抱える後輩の姿もある。この状況で一人のんびりとしているわけにもいかないのが現実だ。あっさりと作戦は切り替わった。ガンガンいこうぜ。
 結果、ヴェリナードから自宅に戻る頃にはくたくたになり、コートを脱ぎ捨ててベッドに直行するような有様だった。
 布団の中で夢うつつ。そんな中、上機嫌でドアを開けたのは猫魔道のニャルベルトである。

「喜ぶニャ! 大漁ニャー!」
 大声を出さんでくれ、頭に響く。一体どこで魚を漁ってきたというんだ?
「魚じゃないニャー。ま、光りモノには違いニャいけどニャー」
 ニャルベルトは短い指を起用に丸めて輪をつくる。私は布団の中からもぞもぞと顔を出した。あれは、コインのつもりか?
「そうニャ! コインが大漁ニャ!! 大儲けニャー!!」
 得意満面で飛び跳ねる。……ニャルベルトよ。ちょっとこっちに来い。
「……一体どこでネコババしてきたんだ。返してこい!」
「だ、誰がネコババにゃーーー!!」
 猫の毛並が逆立って、怒声が部屋に響き渡った。

「これニャー!」
 猫が何かを机に叩きつけた。ひらひら揺れるのはラッカラン印のビンゴ券。そういえば、使う暇がないので彼に渡していたような気がする。
 一時期のブームが去ったことで危機感でも抱いたのか、最近のカジノは猫にも門戸を開いている。いわゆるミニビンゴだ。
 なるほど、話が見えてきた。

「お前が寝てる間に稼いできてやったのニャ!」

 猫魔道のニャルベルト、ミニビンゴに挑戦というわけだ。
 賭けるチップの枚数を自由に選べるのがミニビンゴの特徴だが、彼の選択は大胆にも最大の50枚。さらにダブルレイズも載せて合計100枚。

「そこまでくると、もうミニとは言えんな……」
「吾輩にふさわしいビッグゲームにゃ!」

 これで0ビンゴだった日には目も当てられないのだが……

「こう、ビーンって感じで、アイツがドバーンってなったのニャ」
 猫の言葉は難解で、解読するのにやや時間がかかったが、どうやらはぐれメタルを撃破したらしい。
「意外と簡単に倒せるもんだニャー」
 ノーコメント。げに恐ろしきはビギナーズラックである。

 その後も彼は幸運に恵まれ、最終的なビンゴの数はなんと9。
 これにチップ100枚分の倍率とメタルボーナスが加わったことにより……
「コイン12万枚、ゲットだニャー!!」
 私がそれまで手にしたコインの累計額を、彼は一日で超えてしまったようだ。ギャンブルの神とは、かくも不公平なものか。溜息が布団の隙間から零れていった。
「で、何貰うニャ?」
 猫はさっそく景品カタログを取り出した。受け取りながら私は彼の顔をちらりと伺った。
「お前自身は、欲しいものは無いのか?」
「んー、特に無いニャー」
 ……確かバザーにマンマー印の家具がいくつかあったな。そのうち買ってやることにしよう。
 ま、それはそれとして景品の方だが……

 カタログをめくる。目を引くのは噂のドルゴール。神秘のカードも捨てがたい……
 悩むことしばらく。
「……よし!」
 私の腹は決まった。
 猫が身を乗り出す。私はゆっくりと頷き、こう言った。
「次の景品が発表されるまで、保留だ!」
「ニャ……?」
 猫が気の抜けた鳴き声を漏らした。
「急いで交換することは無いだろう。まずは状況が開けてからだ」
「ニャー……」
 と、猫は猫背で溜息を吐き出した。何だというのだ?
「お前がギャンブルに向いてニャいことがよーく分かったニャ」
 ……どういう意味だ、それは。
「まあ、お前らしいけどニャ」
 猫は私の問いには答えず、大きく欠伸をして床に寝そべるのだった。
 私は納得のいかない表情でしばらくカタログの背表紙とにらめっこをしていたのだが……
 急に疲労感が襲ってきた。
「寝る」
 私は再び布団を頭からひっかぶると、すぐに眠りの世界へと落ちていった。
 床からは猫の寝息が聞こえてくる。  これは私が冒険を休んでいたある日の、小さなエピソードである。
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