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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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写真コンテスト

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ミラージュの冒険日誌

2015-05-23 15:38:38.0 2015-06-07 19:07:38.0テーマ:その他

なりきり冒険日誌~アンダーグラウンド・ガタラ(2/12)【盗賊クエストネタバレ有】

 夜。町が寝静まるわずかに前。酒場は大いに賑わう時刻だ。管を巻く酔漢の奇声、アルコールと油の匂いが店から溢れてくる。
 私とイスターが暖簾をくぐると、店の一番奥、酔客の寄り付かぬ一角に"姉御"の姿があった。
 ややくすんだ緑色の肌と丸っこく小柄な体格は典型的なドワーフ娘で、特別美人というわけではない。だが、自信に満ちた笑みを浮かべる厚い唇と情熱的な瞳は、ウェディの私から見ても艶やかさを感じさせるものだった。
 彼女の周囲に座るのは、夜に酔う酒場にあって、グラスも手にせず、奇妙に剣呑な雰囲気を放つ男たちである。
 そして、それをかき分けるように、彼女に近づいていく一人の老婆。
 ホウ、と私は目を見張った。
 どうやら、面白いショウが見られそうだ。

「ありがとうございます、ダルルさん。なんとお礼を言ったらいいのか……」
 老婆は拝むように手を合わせ、感謝の言葉を繰り返していた。眼には、涙すら浮かんでいる。
「お婆ちゃん、気にしなくていいんだよ。困ったことがあれば、いつでもあたし達の所に来な」
 慈愛に満ちた女神のような瞳で姉御は老婆を見つめ返し、その手を固く握り返した。再び、感激の涙。
「ああ、ダルルさんは、まるで女神さまのようなお方じゃ……」
 雑音と酒気に埋め尽くされた酒場の中にあって、その一角だけは祈りを捧げる教会のような神聖な空気に包まれていた……

 私は、笑いがこみあげてくるのを必死で堪えなければならなかった。
 姉御が女神でここが教会なら、彼女の周りに集う男たちはさしずめ神官か。どれも一癖ありそうな強面の荒くれどもだ。随分と物騒な神官もいたものだ。
 だが、ダルルの姉御が女神だとしたら、次に彼女の前に現れた男の、怯えた表情は何であろうか。
 商人風の出で立ちのその男は、かなりこわばった作り笑いを浮かべながら姉御に近づくと、テーブルに頭がつくほど極端に頭を下げつつ、ずっしりと重い金貨袋を彼女に差し出すのだった。
「ダルルさん、遅くなって申し訳ありません。少ないですが、今月分です。お納めください」
「ああ、いつも悪いね」
 ぶっきらぼうな物言いでそれを受け取ると、ダルルの姉御は金貨の重みを確かめる。……そして、足早に立ち去ろうとした男の背中に「待ちな!」と、鋭く静止の声を投げかけるのだった。
 男はびくりと背筋を伸ばして立ち止まり、脂汗を流しながらゆっくりと振り返る。
「あの、何か……」
「いつもと額が違うね」
「ハ、ハイ、その……今月は特にお忙しいようですので、私どもとしても、少し多めに……」
 と、革袋が投げつけられた。男は無様にも顔面でそれを受け取る羽目になった。革袋の中身は、差分のゴールドのようだった。
「余計なことすんじゃないよ! あたし達はこういう時のために普段から金を受け取ってるんだ。今更弱みにつけこもうなんて、ケチなことは考えないよ!」
「ハ、ハイ。ごもっともで……」
 姉御に凄まれ、商人は革袋をお手玉しながら後ずさった。
「その代わり」
 と、イスターが後ろから男の肩を掴んだ。またもビクリ、だ。
「事件が片付いたら上納金を減らそうなんて、セコいことは考えるなよな?」
「も、勿論のことで!」
 商人は頭を下げると、冷や汗をまき散らしつつ、一目散に去っていった。
 ダルルは呆れ顔でその背中を眺めていた。  来客の相手を終え、ダルルはようやく我々に振り返る。その顔に浮かぶのは、老婆を相手にした時の慈愛に満ちた表情でもなければ、商人を威嚇した鋭い目つきでもない。もっとリラックスした、それでいて隙を見せない、組織のボスらしい不敵な表情だった。
「お帰り、イスター。どうやらそっちも上手くいったようだね」
「ああ、奴らのアジトを突き止めてやったぜ」
 イスターは自慢げに親指を突き出した。
「新入りも、なかなか使える奴だったしな」
「ふうん」
 ダルルは疑わしげな表情で私を見上げた。艶やかな瞳が鋭く光る。
「盗賊向きには見えなかったけどね」
 皮肉っぽく、女盗賊はそう言った。
 私は逃げるように目をそらし……
「人は見かけによらん、というわけだ」
 と、小さく肩をすくめた。
 ここは、盗賊たちのたまり場。
 油断のならない場所なのである。
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