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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2015-06-07 19:03:02.0 テーマ:その他

なりきり冒険日誌~アンダーグラウンド・ガタラ(11/12)【盗賊クエストネタバレ有】

 ガタン、ガタンと硬い音を立てて景色が揺れる。火山灰のため、閉め切った窓の外にはごつごつとした岩山が並んでいる。ゆるやかにカーブした線路を目で追うと、ガタラの町並みは既に、玩具の町ように小さくなっていた。
 大陸間鉄道、通称、大地の箱舟。その窓辺から小さくなっていくガタラを眺め、私は独り言ちた。あの町ともこれでお別れか、と。
「上手く抜けられたの?」
 と、隣に座ったエルフのリルリラが弁当をつまみながら尋ねた。ライスの上に、豚挽き肉のそぼろでスライムを描いた、一風変わった弁当である。どうやら誰かが買い占めているらしくいつも売り切れているのだが、今回は珍しく買うことができた。
「まあな」
 盗賊団に潜入した捜査員……普通ならば後ろから刺されても文句は言えない立場の私が穏便に旅立つことができたのは、ダルルの口利きがあったためである。故郷で働き口が見つかったので盗賊団を抜ける……そういう彼女の言葉を信じたお人好しばかりではないだろう。だが、ダルルの言葉には有無を言わさぬ力があった。
 油断させておいて後から刺客を差し向ける……という気配も、今のところは感じられない。旅団との戦闘で役に立ってくれた礼、と彼女は言っていたが、それにしても寛大な措置と言えた。

 寛大と言えば、あのチャムールに対する処罰も、かなり寛大なものだった。
 あの戦いの後、チャムールはガタラから奪ったものを全て返還し、アジトの蓄えも全て盗賊団が頂くこととなった。つむじ風の旅団は解散し、チャムールはダルルのナワバリに二度と立ち入らないことを誓った。
 裁きは、それだけだ。
 やはり英雄の息子だけに、粗末には扱えない、ということだろうか……? それとなくダルルに尋ねてみたところ、
「取引さ」
 と、意外な答えが返ってきた。誰との? という問いに彼女は答えなかった。手元では特徴的な形のアイマスクを弄んでした。

「優しいんだねえ」
 持参のエルトニック・ハシで器用に飯をつまみながらリラは呟いた。
「しかもこうして見送りにまできてやるんだから、涙が出るだろ?」
 と、背後からリルリラの喉をつまらせる声が聞こえてきた。振り向くと、意地の悪い笑みを浮かべたダルルの顔がそこにあった。
「久しぶりじゃあないか。エルフのお嬢さん」
 とんとん、とむせ返る背中をたたいてやる。
「ダルル、君がじきじきに来るとはな」
「ちょっと他の奴らには任せられないヤマだったんでね」
 箱舟の揺れる中、彼女は一通の手紙を私に手渡した。約束の品、だ。
「何それ」
 ようやく呼吸を取り戻し、水を飲み込んだリルリラにダルルは再びニヤリと笑みを向けた。
「ラブレターに決まってるじゃないか」
 再びリルリラは咳き込んだ。どうやらいつぞやの仕返しか。私もつられて笑った。
 だが、笑っていたれるのはそこまでだった。
 手紙の封には蛇の意匠。それを暴き、中身を素早く一読する。
「……随分と物騒なラブレターだ」
 彼女は確かに、私の求めていた情報を探り当ててくれた。いや、それ以上かもしれなかった。
「よくここまで調べられたものだな?」
「現役を退いた盗賊に協力してもらってね」
 ダルルは一言、そう言った。
 ふと、私の脳裏にある男の名が浮かんだ。そしてチャムールへの寛容な裁き。ダルルが口にした、取引という言葉。
「……なるほどな」
 私は手紙を懐にしまうと、深くうなずいた。
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