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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2015-06-07 19:03:50.0 テーマ:その他

なりきり冒険日誌~アンダーグラウンド・ガタラ(12/12)【盗賊クエストネタバレ有】

 しばらく、言葉が途切れる。ガタン、ゴトンと箱舟を揺らす車輪の音と振動だけが座席に響いた。ガタラはもう遠く、火山灰の彼方に霞んで見えた。
「ダルル、一つ聞きたい」
 沈黙を破り、私は尋ねた。
「いつから私を疑っていた?」
「最初からさ」
 にんまりと笑みを浮かべて、ダルル。またも沈黙。カーブに差し掛かり、箱舟が大きく揺れる。
 ややあって、ダルルは全く関係のない話を切り出した……ように、思えた。
「……チャムールには、随分辛辣だったね」
 最初に彼と会った時の話だ。私はチャムールの罪を糾弾した。後から考えれば自分でも少々、やりすぎと思うくらいに……。
「いや、非難してるわけじゃない。あんたの言ったことは正しいさ」
 ただ……と、口ごもり、視線を窓の外に飛ばした。
「あたしたちは皆、多かれ少なかれ脛に傷を持つ者の集まりさ。あんな風に、正しいことを堂々と主張できる奴を見ると……」
 ふっと、寂しげな笑みが口元に浮かぶ。
「違うな、って思うのさ」
 箱舟が揺れる。女盗賊の瞳もあわせて揺れた。
 私は首を振った。
「……私もそれほど立派な生き方はしていない。ただ、感情的になっていただけさ」
 私はある時期から、盗賊たちとの間に溝を感じ始めたことを思い出した。考えてみればあの時、私は盗賊を演じることを忘れていたように思う。
 三度、沈黙。
 やがて彼女は席を立つと、ここで降りる、と告げた。
 駅まではまだ時間があるが、彼女の身のこなしの軽さを考えれば問題ではない。
 彼女は去りぎわに一度だけ振り向くと、小さく別れを告げた。
「あばよ、シャレード」
 それは私が盗賊団で使っていた偽名だった。
 あばよ、シャレード。
 私もまた胸の中で呟いた。
 胸中に惜別の念が渦巻いたのは、ほんの一瞬のことだった。それ以上は、胸にしまった手紙の内容が許さない。
 私は魔法戦士ミラージュに戻り、副団長に"蛇"の行方を報告せねばならないのだ。
 この情報は今後の任務を大いに助けることだろう。
 誰かが窓を開ける音がした。火山灰は止み、潮風が箱舟に流れ込む。
 ガタラの影は、もう見えなかった。
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