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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2015-08-14 22:11:13.0 テーマ:その他

なりきり冒険日誌~ジュレイダ遺跡探索記(4)【注:3.0ストーリーに関する記述有り】

 アリオス王の主導で開催された八王会議。そこで発生したハプニングは各国に大きな衝撃を与えた。
 我がヴェリナードも更なる事態に備え、敵の標的と思われるオーディス王子に影武者をたてた。その役に抜擢されたのが、私の友人、ヒューザだった。  ヒューザは王子を演じ、王子は逆にヒューザを演じる。
 当初、その話を知らなかった私は宮殿内に旧友の姿を見つけ、声をかけて仰天したものだ。
 気品ある凛とした声、やや気負った口調で受け応えする「ヒューザ」
 一方、そのやりとりを遮る「王子」の声はぶっきらぼうでがさつ。私の頭はメダパニをかけられたスライムのように乱れ惑った。
 もしや、二人の頭の中が入れ替わってしまったのか? 王子とヒューザが頭をぶつける光景が脳をよぎった。

「……何考えてんだ、お前」

 ヒューザは呆れた様子でため息をついた。

 こうしてヒューザは王室のお歴々と行動を共にすることになった。
 普段王子がそうされている通りに、ヒューザもセーリア様の隣に立つ。
 思えばこの二人は知らない仲ではない。500年前、セーリア様と共に暴君に挑んだ戦士リューデは、ヒューザの遠い先祖にあたるのだ。
 かつての友が残した子孫の姿に、彼女は何を思うのか。
 控えめな微笑みで一同のやり取り見守った後、巫女姫はこのように仰った。

「あのう、そろそろお夕食のお時間では?」

 ……どうやら、特に感想は無いようだ。  その後は王室がヒューザを招く形での食事会となった。運ばれてくるのは豪勢な料理、卓上を賑わすのは家族の団欒。物質的にも精神的にも満ち足りた、絵に描いたような幸せな食卓。
 それが、ヒューザの気分を害したらしい。
 食事会を中座し、私と二人きりになった後でヒューザはこう言った。
 孤児である自分には、家族の愛など手に入らなかった、と。
 愛されて育ち、全てを与えられて真っ直ぐに成長したオーディス王子。彼を演じることで、ヒューザは自分が持たざるものであることを、否応なしに思い知らされたのだろう。
 だが……ぴくり、と私の眉間にしわが寄ったことに、彼は気づかなかった。

「俺は所詮、孤児なんだ。おかげでお前らともダチになれたわけだけどよ……ああいうのとは違うんだって、わかっちまった」

 次の瞬間、私の拳がヒューザの左頬を捉えていた。
 不意の一撃によろめいたヒューザは一瞬戸惑い、次に怒りの表情を浮かべた。

「何をしやがる!」
「黙れ!」
「……この野郎!」

 ヒューザも拳を返す。振り抜いた拳が私の顔に叩きつけられ、熱いものが走った。半歩後退しつつ私もまた拳を持ち上げた。

 それからしばらくの間、我々は殴り合った。
 お互いに何か喚き合っていたように思う。今はもう、覚えていない。
 ただ、殴り、殴られるたびに顔面と拳の両方に痛みが走った。そのことだけ嫌というほど覚えている。
 やがて息が切れ、殴打の応酬も途切れた。肩を大きく上下させ、奥歯を噛みしめたまま互いに睨み合う。

「さっきの台詞……」

 よくも私の前で、という言葉は辛うじて飲み込んだ。

「……ソーミャの前でもう一度言ってみろ」

 咄嗟に出した名前だったが、この言葉は拳以上に彼をよろめかせたようだ。
 ソーミャはヒューザが目にかけている孤児の少女だ。
 しばし、沈黙。宮殿を流れる水の音がさらさらと夜空に響いた。
 静寂を破ったのは、甲高い悲鳴だった。
 我に返り振りかえると、宮廷付きの侍女が愕然とした表情で立ち尽くしていた。

「ミラージュ様、なんてこと……王子を殴るなんて!」
「えっ?」

 ハッと、私は自分の拳を、そして今は王子の顔をした旧友の顔を見つめた。

 こうして私は「王子を殴った男」になってしまったわけだ。
 幸いにもヒューザが機転を利かせて訓練の一環、ということにしてくれたが、体裁上、御咎め無しというわけにもいかない。
 私は警護の任を解かれ、別の仕事にあたるよう命じられた。

「と、いうわけだ」

 ジスカルドは私の説明を聞き終えて、しばし考え込んでいたようだった。

「戦力の効率的な運用という観点からすれば、かなり無駄の多いことです」
「ヒトのやることは機械のように合理的にはいかんさ」

 なるほど、とロボットは頷き、第二の質問をした。

「ところで、何故貴方はその男性を殴ったのでしょうか?」
「ジスカルド、その答えはさっきと同じだ」

 私は問答を打ち切り、調査団の手伝いを再開した。
 ジスカルドも、それ以上は追及しなかった。

 あのヒューザですら後れを取ったという襲撃犯、通称「蛇」。いずれ私も彼奴を追うことになるだろう。
 その時には……
 私は自分の拳としばし睨み合った。
 言葉は無く、ただ熱いものが拳の内から沸き上がっただけだった。
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