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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2015-09-21 01:00:04.0 テーマ:その他

なりきり冒険日誌~煉獄の谷にて(1)【ver3.1ネタバレ注意】

 見上げれは岩肌から炎が噴き出し、遠くには緑と白の竜が陸を闊歩する。谷底には赤黒いマグマの川。
 煉獄の谷とはよくいったもの。地獄絵図のような光景を踏み裂いて前進する小さな影五つ。舌なめずりする炎が一つ気紛れを起こせば、足場もろとも灼熱地獄にのまれかねない儚い石ころ、それが我々だった。
 奥地への道すがら、私は神官エステラ氏から様々な話を聞いた。
 魔炎鳥と呼ばれる魔物が村を荒らしていること。討伐に向かった村の若者たちが返り討ちに合ったこと。そして魔炎鳥の正体。

「兄は、あの戦いで真実を悟り……僕に後を託したのです」

 ギダ青年は線の細い顔に憂いの色を浮かべて、じっと手元の竪琴を見つめた。
 魔物のはびこる今の世には不要といって禁じられた彼の歌が、その魔物を鎮める鍵だったとは、なんとも皮肉なことではないか。

「歌で魔物を封じる話なら、私の故郷にも伝わっている。どこにも似たような話はあるらしいな」
「アストルティアにも?」

 私の話に、竜族の二人は興味を示したようだ。

「私の故郷では歌が尊ばれていてな。王位につく者に歌の上手さが求められるくらいだ。君ぐらい達者な弾き手なら、ウェナでは食うに困らんだろうな」

 おだてられて、ギダははにかむような笑みを浮かべた。人の好い青年なのだ。

「そんな世界が……あるんですね」
「ああ、一度来てみるといい。引く手あまただぞ」

 だがギダの細面は再び陰鬱な影を帯びた。

「行ってみたいですね……故郷を救った後で」

 熱風が吹き抜けた。肌を焦がす炎熱とは裏腹に、彼の腕は緊張に震え、鳥肌さえたてた。鳥は爬虫類の親戚だから竜族が鳥肌を立ててもおかしくはない……と、言っては失礼にあたるだろうか。

「今は恐ろしい魔炎鳥ですが、元は聖鳥。きっと上手くいきますよ」

 凛とした顔に穏やかな笑みと確固たる決意を秘めて、神官は言った。
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