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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2016-09-19 20:50:43.0 テーマ:その他

レーススライムの栄光(1/3)~なりきり冒険日誌

 青く染まった空から吹き下ろす風が、ヤシの葉を軽やかに揺らす。悠然とそびえる入道雲が、常夏の太陽と共に我々を見下ろしていた。
 ヴァース大山林はヴェリナードの北東に位置する広大な原野である。常夏諸島の別名で呼ばれるウェナの中でも、ここより東は特に南国のムード漂う密林地帯が広がっている。
 だが、ブーナー、ケラコーナの原生林と比べればこのヴァースには平地が多く、東西に流れるなだらかな川のおかげもあって、常夏の日差しの下でもどこか涼しげな雰囲気を醸し出している。
 ピクニックには最適の場所と言えるだろう。
 だが残念ながら、私は物見遊山でここにやってきたわけではなかった。

 腰には剣を帯び、周囲に鋭く目を光らせる。
 そして危険な獣がいないことを確認すると、後方を振り向き、問題なしのサインを送る。
 護衛対象は青い体をぴょこんと揺らし、せっせと移動を開始した。青い空と川の流れに溶けこみそうな、弾力ある水滴の群れである。
 私の名前はミラージュ。
 ヴェリナード魔法戦士団の一員として様々な任務に携わってきた私だが、スライムの護衛をするのは初めてのことだった。  娯楽島ラッカランのカジノで大規模なスライムレース、アストルティアカップが開催されると発表されたのは、一月ほど前のことである。
 上位入賞者には、多額の賞金が支払われる。
 一攫千金のチャンスに、数多くの職業スライムブリーダー、スライムオーナー、そして魔物使いとして腕を磨いた冒険者達までもが殺到。アストルティア・カップはカジノオーナー、フォン・バルディの狙い通り……いや、それ以上の大イベントとなりつつあった。
 言い換えるなら、それは莫大な金の流れを生む、経済の祭典である。
 入賞者に贈られる賞金だけでも、総額は1000億を下らないとか……。裏で流れる諸費用の総額はその比ではあるまい。いやはや、一体アストルティアのどこにそんなゴールドが眠っていたというのか。庶民の私は、ただただため息をつくばかりである。
 このゴールドが市場に解放されることで経済にどの程度の影響があるのか、その分析は学者たちに任すとして、我々はもう少し目先のことを考える必要がある。
 即ち、このゴールドの祭典に関わる要人や施設の護衛である。こうも肥大化しては、ラッカランの警備兵だけで手が回るものではない。
 かくして、カジノオーナーと島主ゴーレック氏の蓮著による警護依頼が、魔法戦士団に届けられることとなる。
 私の担当は、レーススライム達を管理する、あるキャラバンの護衛だった。

 広大なヴァースの大地に、スライムの群れが跳ねまわる。青、赤、緑。色とりどりの雨粒だ。
 その中心で一人、二本足で立ち鞭を振るうのは、プクリポ族の調教師、プロッツァ氏である。  彼の仕事は、スライムオーナー達から預かったこのスライム達を指導し、一人前のレーススライムに鍛え上げることである。
 スタッフは護衛の私を含めてほんの数名。大規模なキャラバンとはいえないが人気はあるらしく、率いるスライムは数十匹にも及ぶ。
 これは調教師としての彼の信頼の賜物……と言うのも嘘ではないが、その本当の理由は、トレーニング料の安さにある。

 スタミ菜、エムピーナッツといった最上級のエサはここでは使われない。金がかかるからだ。
 科学的で豪勢なトレーニング施設も存在しない。金が無いからだ。
 裕福な一流スライムオーナーたちは、プロッツァのキャラバンなど見向きもしない。二流三流、金のやりくりに悩む地方のオーナーが彼のお得意様である。
 そしてプロッツァは、一流を征する二流のロマンに命を懸けた男だった。

「元々金を持ってる奴が一流の設備を使って一流のスライムを育て、ますます金持ちになっていく。俺達はヤラレ役で、指をくわえて見てるだけ。……そんなの、納得できるかい?」

 そんな彼が好んで行うのが、この遠征トレーニングである。  大自然の過酷な環境を活かし、一流トレーニング施設を無料で再現する。
 ここヴァース大山林を流れる川は、成程、トレーニングセンターのプール以上にレーススライムの特訓に適した場所である。水しぶきと水流の中を必死ではいずり、飛び回り、たまに流されていくスライムたちの姿は逞しく、滑稽でもあり、また美しくもあった。
 見てくれは粗野だが安上がり、かつ効果的な訓練で勝利を目指す。持たざる者の戦法としては理に適っている。
 だが、長所と短所は裏表。この特訓には一つ、見過ごすことのできない欠点があった。

 外敵の存在である。
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