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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2017-08-16 00:00:40.0 テーマ:その他

ナドラガンドの決戦(11)~なりきり冒険日誌【ストーリーネタバレ注意】

【注:ver3.5後期のストーリーネタバレを含みます】
                                  
第四話「聖なる種火」後編  家までの道のりはそう遠くは無かったが、今にも白ローブが声をかけてくるのではないかと思うと、通い慣れた道が千里にも思えた。
 やっとの思いで家に辿り着き、少年の手当てを済ますと、胸の動悸も収まり、彼女の頭も冷めてきた。
『どうしよう……』
 途方に暮れる。
 衝動的にかくまってしまった。子供とは言え、エステラ派の一人を。
 こんなところを誰かに見られたら、彼女自身も背教者としてつるし上げられることになるだろう。
 少年はもう泣き止み、不思議そうにあたりを見回している。自分の置かれている状況をまるで分っていない様子だ。溜息しか、出てこなかった。

 時計の秒針が時を刻む。風が窓を鳴らすたび、肝が冷える。足音が通るたびに彼女は家の中で息を殺した。不安と恐怖で窒息しそうだ。なぜ自分がこんな目に遭っているのだろう。つい数刻前まで、こんな状況は想像すらしていなかった。
 危機的状況である。平穏が乱されている。なけなしの平穏が。
 少年に対して抱いた慈母的衝動はすでに薄まり、ベッドを占領したあどけない寝顔に彼女は苛立ちさえ覚えた。
 とんでもないお荷物を抱えて込んでしまった。こんなことなら最初から放っておけばよかった。
 胸にこみ上げてきた薄情な言葉に、彼女は自分自身、驚いていた。
 衝動的な正義感をとことん貫けるほど彼女は英雄的ではなかった。かといって、この子供を家から放り出して知らん顔を決め込めるほど冷徹でもなかった。なんて女だ! 彼女は己の矮小さを嫌悪した。

 椅子に腰を下ろし、両手で顔を覆いながら再び高まりつつある胸の動悸を鎮める。
 兎に角、今の状況から抜け出さなければならない。できるだけ早く、昨日までの自分に戻るのだ。そのためには、この子供を親の元に返すことだ。
 白ローブの大行進は大聖堂を取り巻いているが、常にではない。明日の朝がた、デモが途切れた隙に聖堂の近くまで辿り着ければ……後は自力で抜け出してきた子供だ。自力で帰れるだろう。
 後は素知らぬ顔で店に出勤すれば、それで終わり。この異常な状況はそれで終わるのだ。
 そう、簡単なこと。明日の朝までの辛抱だ。彼女は自分にそう言い聞かせた。
『……仕方ないからそれまで面倒見てやるよ、おチビちゃん』
 寝返りを打つ少年の汗を彼女はそっと拭ってやった。

 だが、この日の夜明けは彼女が思っているよりずっと遠かった。

 不意に、ドアを叩く音がした。威圧的に、無遠慮に。
 ドアの向こうに、人影が二つ。
 女は身を固くして立ち上がった。
 エジャルナの最も長い夜が始まろうとしていた。
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