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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2017-08-19 23:31:55.0 テーマ:その他

ナドラガンドの決戦(16)~なりきり冒険日誌【ストーリーネタバレ注意】

【注:ver3.5後期のストーリーネタバレを含みます】
           
第六話「炎の都エジャルナ」前編  古く整ったエジャルナの町並みが、今、激しい怒号の波に覆われていた。まさに怒涛。誰かが雄たけびを上げる。白ローブがそれに杖を振り下ろす。血と共に怒号の数が倍増する。暴動の渦は拡大し、拡散していった。
 この街に住む誰もが、白ローブの暴威に抑圧され、怯え、憎んでいた。一度怒りに火が付けば、もはや理由など何でもよかった。誰もが胸の奥に抱えていた種火が今、発火し、爆発し始めたのである。 

 無論、全員が戦いを始めたわけではない。逃げ惑い、家の中に立てこもる者も大勢いた。
 大通りにほど近い住宅街の一角でも、そうした親子の一組が家の中で震えていた。戦火の足音が近づいてくる。窓を覗き込む子供に、顔を引っ込めろと母親は叱りつけた。
 それでも子供はひっそりと、窓の外を見続けていた。
 怒り、戦う者達を。叫びを、血を。
 これから多くのものを見るであろう幼い瞳に、この日の炎を焼き付けていた。

 女の家の前では、ロマニの落とした大鎌を、住民の一人が拾い上げて振り回していた。無論、武器など使ったことのない男だ。刃は出鱈目な軌道を描く。心得のあるものにとっては恐るるに足らぬ動きだ。
 だが白ローブは怯んだ。
 彼らとて、その多くは大聖堂に石を投げてローブを貰ったばかりの一般人である。彼らは焦り、戸惑っていた。杖を振る腕にも迷いがある。まさか、まさかこんなことが起きるなんて。
 一方、最初からロマニに付き従っていた古参の者達は迷いなく杖を振るった。悪腫を摘み取る医者のように淡々と、彼らの敵を排除していく。その無感情な仕草は人のそれとも思われなかった。

 ロマニの指揮の元、彼らは徐々に民衆の波を押し返す。
 大鎌を振るっている男の元にも、白ローブの一人が滲み寄った。
 雄叫びとも悲鳴ともつかない絶叫と共に大鎌が円を描く。軽々とかわし、距離を詰める。
 だがその時、予想外のことが起こった。

 空を斬った大鎌が家の壁に当たり、逆方向に跳ね返った。
 不自然な軌道変更に男は体を振り回され、転倒する。それがさらに大鎌の軌道を不規則に変化させた。
 白ローブはそれをかわしきれない。鋭い刃が白いフードを引き裂いた。影に覆われていた素顔が露わになる。
「あっ……!!」

 誰もが息をのんだ。誰もが静止した。その瞬間、時が止まったかのように。
 白い布きれの残骸が音も無く道に落ちた。
 フードの中から現れたものが、ぎろりと瞳を光らせた。三つの瞳を。
 取り囲む視線は、何が起きたのか理解できない。
 そこにあるのは異形の姿である。硬質な鱗を纏った黒い肌。いびつな形に歪んだ頭から大きく突き出した二本角。
 そして無感情に輝く三つの瞳。
「何だよこれ……」「どうなってんだよ……」
 誰かが言った。悪魔だ……と。それは徐々に伝染していった。悪魔。人ではない。白ローブの中身は……!  はじめ困惑が、やがてパニックが街を襲った。異形の魔人が武器を振り上げると、あるものは逆上し、ある者は悲鳴を上げた。
 また別の者は、未だフードをかぶったままの白ローブたちを指さし、怯えた声を上げた。疑惑の視線が突き刺さる。
 白ローブの半数が慌ててフードを脱ぎ捨てた。自分が悪魔でないことを証明するためだ。
 それを見て残る半数もフードを脱ぎ捨てた。自分が悪魔であることを隠す必要がなくなったためだ。

 民衆は狂乱し、手にしたものを滅多矢鱈にふりまわした。何が起きたのかわからない……いや、わかってしまった!
 恐怖が、怒りが間欠泉のように噴き出した。
 騙されていた! 騙されていた! 騙されていた!
 嘆き、憤怒、憎悪、恐怖、恐慌……!!

 ロマニは顔色一つ変えず、否、薄笑いすら浮かべて号令をかけた。
 神の敵を殲滅せよと。
 神の名の元に、悪魔たちが襲い掛かる。鮮血がほとばしる。流れた血は宙を舞い、炎の空に吸い込まれていくようだった。夜の聖都に、背徳の光景が広がっていた。
 純白のローブに覆い隠されていた獣性をむき出しにして、無慈悲なる鉤爪が住民たちを襲う。大鎌を振り回していた男も、もう動けない。腰が抜けて、ただ武器を前に突き出すだけだ。片手で振り払い、悪魔の三つの瞳が、鋭い牙が喉元へと忍び寄る……

 空気が白く染まったのは、その時だった。
 不意に、熱気が凍り付く。石畳が急激に冷たく霜を帯びる。
 冷気は宙へと浮かび上がり、鋭い氷の刃と化す。
「ーーーー!!!」
 裂帛の気合と共に、それが悪魔たちの頭上に降り注いだ。たまらず彼らは後退する。
 ロマニは忌々し気に気合の主を睨みつけた。
「来たか、トビアス」
「ここまでだ、ロマニ」
 怒りの視線と共に、トビアスは杖を突きつけた。
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