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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2018-02-14 20:12:44.0 2018-02-14 20:14:13.0テーマ:その他

王立調査団、マデ島へ行く(3/6)~なりきり冒険日誌【注:4.0ストーリーに関わる記述有り】

 あれから数日が経過した。
 怪我をした若者は修道院へと運びこまれた。男嫌いの修道女達とはいえ、これを拒否するほど無慈悲ではない。マザー・リオーネは自ら率先してシスターたちを指揮し、治療の手はずを整えさせた。そのおかげもあり、若者は順調に回復しつつある。修道女の何人かは進んで看護を引き受けてくれた。これも神への奉仕、だそうだ。
 こういう場合、我々としては彼女らの倍も人数を割いて手厚い看護体制を整えるべきである。厚意に甘えて任せきりにしてしまうような無責任な我々ではないことを示すためだ。修道院と我々の微妙な関係を考えれば、そういうことがわかる。
 だがキンナー達は学者である。頭脳は明晰だが、その聡明な脳みそは古代史の解明という崇高な目的に向けられており、外交などという些事には目もくれない。若者の無事を確認すると、彼らは早くも本来の使命を思い出し、出土した古代遺物の解析に熱中してしまったのである。
 誰が些事を受け持つのか。選択肢は多くない。
 医務班の数名と交代で看護を続け、また修道女たちに平身低頭して学者たちの不作法を詫び、重ねて礼を述べるのがここ数日の私の仕事だった。魔物との戦い以上に、こたえる仕事である。
 窓辺に背を持たせ、一休みしていると、誰かが外から窓を叩いた。黄色い鱗に白い角。紫の翼がばさばさと羽ばたく。ドラゴンキッズのソーラドーラだ。 「ああ、食事の時間だったな」

 窓を開け、喉を撫でてやると、仔竜は嬉しそうに頷いた。肉を放ると、空中で見事に噛みつき、宙返りして着地する。しもふりミートは彼の大好物だ。肉を咥えた牙の間から興奮した吐息とよだれが縦横無尽に飛び散っていた。
 これが飛竜とはちょっと気づくまい。彼はコドラゴラムの奥義により、飛竜と仔竜の姿を使い分ける。

「異常はないか?」

 仔竜はこくこくと頷く。念のため、彼には修道院の周りの警護を頼んでいる。

「この分だと調査は打ち切りになりそうだ。彼の怪我が治り次第、ヴェリナードに帰ることになるだろう。その時は、またひとっ飛び頼むぞ」

 任せておけ、というようにソーラドーラは高く鳴いた。

「別にお急ぎにならなくても、構いませんよ」

 と、背後から優し気な声がした。

「焦って傷口が開きでもしたら、いけませんからね」
「……マザーのご厚意には、なんとお礼を申し上げてよいのかわかりません」

 私は恭しく一礼した。肉と格闘する仔竜の声がまだ窓の外から聞こえていたが、既に私の意識は目の前の女性に釘付けになっていた。
 老熟した、それでいてどこか若々しさを感じさせる独特の雰囲気。深い色の瞳。マザー・リオーネは、不思議な空気をまとった女性だった。
「……にも関わらず調査員達は充分なご挨拶もできず、汗顔の至りです」
「掘り出し物に夢中、なのですものね」

 私はますます恐れ入った顔になり、マザーはくすりと笑った。
 国外任務を担当する魔法戦士はただの兵隊ではない。国を代表として他国と交渉する外交官の顔を持つ。
 世界のあらゆる権力から切り離されたこの島を独立小国家と捉えるなら、マザー・リオーネとの会話は国家元首との対談ということになるわけだ。相手の腹の内を探り、有利にことを運ばねばならない。
 だがこの女性の前に立つと、私は会話を御するすべを失ってしまう。マザーの纏う不思議な空気が、私の小賢しい思惑や計算をうやむやの内に押し流してしまうようだった。

「……秘められた謎……私達としては、そっとしておいて欲しいけど……」

 この島を預かる女性は静かに呟くと、ここではない場所を見つめる瞳で視線を宙に泳がせた。

「謎があるなら、解かずにはいられない。そういう人が、いるのですものね」
「ハ……」

 私は答えに迷った。彼女は調査員たちのことを言っているのだろうか?
 そうではない、ように見える。
 私の迷いを見透かすように、マザーは頷き、答えなくていい、と静かに笑った。

「ここで余生を過ごす私の物語は、もうほとんど終わってしまったけど……まだ終わらない物語を、追いかける人がいるのですから」

 マザー・リオーネの横顔は寂しそうにも、嬉しそうにも見えた。彼女が時折見せるこんな表情に、私はいつも圧倒されてしまう。そして思うのだ。この女性は今日にいたるまで、どんな物語の、どんな役を演じてきたのだろう、と。
 ……ここは世捨て人の島。他人の過去を探るのは、ご法度である。

「エテーネ王国、でしたね」
「はい」
「どんな場所だったのか、わかりましたか?」
「まだよくはわかりませんが……5000年ほど前に栄えた王国で、錬金術が非常に盛んだったようです」
「錬金術……」

 ぴくりとマザーの眉が揺れた。そして深く瞳を閉じると、

「5000年の、旅路……」

 と、静かに呟いた。
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