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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2018-05-03 12:25:09.0 2018-05-03 12:40:07.0テーマ:その他

魚の為に鈴は鳴る~なりきり冒険日誌

 夜霧が竹林を静かに包む。しなやかに揺れる竹の葉が、湿った緑の匂いを私の鼻孔に届ける。人影はなく、声も無い。ただ時折、霧の中に響くような鈴の音が微かに耳を撫でた。
 エルトナ大陸央部、風都アズランと王都カミハルムイを繋ぐイナミノ街道のはずれ。この竹林はヒトの領域ではない。
 脚を一歩踏み出すと、霧の奥、立ち並ぶ竹の向こうから無数の視線が突き刺さる。私は両手を上げて敵意が無いことを示した。
 しばしの逡巡。やがてひたひたと土を踏む気配。透き通った鈴の音。笹の葉が揺れ、その奥からダークグレーの毛並と、ふてぶてしい猫顔が姿を現した。  この地に住まう猫魔族の一派だ。ダークペルシャと呼ばれている。魔物と言えど独自の文化を持ち、多くは強い魔力を秘めている。
 私の脳裏に古い記憶がよぎった。かつて彼らの眼を盗んでこの竹林を駆けぬけたことがある。イナミノからスイゼン湿原に至るマラソンコース。建材に使う枝や薬用になる草を拾い集め、日銭を稼いでいた私にとって、彼らは厄介な存在だった。
 だが、今の私にとって、彼らこそがお目当てである。
 友好の笑みを浮かべて一歩前に進むと、足元に転がるしなやかな枝が目に入った。かつての主力商品だ。今でははした金にもなるまい。そっと視線を外す。インフレは進んだのだ。諸行無常。鈴の音が竹林に響く。
 赤い鈴だ。
 ダークペルシャの首元、無造作にぶらさげた大きな鈴。訝し気に猫が首をかしげると、また小さく鳴った。
 私の目当ては、この鈴である。

 この鈴は天使の鈴と呼ばれており、錬金術師達の間では重宝されている。
 だがこの鈴の供給は猫魔族からの輸入に頼っており、最近は数が足りず価格も高騰している。
 そこで私が仲立ちとなり、供給の手助けをしてやろうというわけだ。もちろん、相応の仲介料は頂くが……

「ニャんか魔法戦士らしくニャい、みみっちい金策だニャー」

 呆れ顔で鳴くのは猫魔道のニャルベルト。今回、同じ猫魔族のダークペルシャと交渉するために彼を連れてきた。他に交渉術に長けた盗賊達を二人ほど雇っている。
 私はえもの呼びの技を応用して、ダークペルシャを交渉の場に呼び寄せる役に徹する。
 猫の言う通り、みみっちい金策ではあるが……私も何かと入り用なのだ。

 ことの始まりは聖守護者の闘戦記。あの過酷な戦いに挑むため、私もあれこれと武具を整えた。
 まず、闇耐性6%の錬金が施された聖騎士の大盾。これは安い買い物だった。
 だがこの盾ではダークフォースの護りに加えて最高級のダークタルトを使わなければ敵の力に対抗できなかった。タルトと言えど最高級となれば結構な値段だ。戦うたびにこれを購入するのは、なかなか厳しい。
 そこで1ランク上の錬金を施した聖騎士の大盾を購入。これで安めのタルトで済む。盾の方は、まあそこそこの値段だ。
 これで今後の出費は抑えられると思いきや……幾度か戦ううち、そもそもフォースに頼る戦術自体が非現実的だということに気づき始めた。あの、倒されては起き上がりを繰り返す戦闘の中で、倒れるたびにフォースを使う手間は予想以上の足かせとなったのだ。
 フォースに頼らない戦術を求めて……更に1ランク上の品を購入。装備袋に聖騎士の大盾が三つも並ぶことになった。安物買いの銭失いとは、私のことである。
 ともあれ、素の状態で闇のブレスが直撃しても無傷でいられるだけの装備が整ったわけだが……タルトの方は結局最高級の品が必要になった。前進したのやら元に戻ったのやら。
 あれこれと散財し、これからもしばらくは高級なものが必要となる……とあらば、多少の金策も必要になるわけだ。

「魔法戦士団の経費で落とせニャーのか?」
「ニャルベルト。ユナティ副団長を甘く見るなよ」

 実を言うと、一度掛け合ってみた。精鋭が集まる闘戦記の舞台で魔法戦士が活躍すれば魔法戦士団にとっても格好の宣伝となる。そのための経費として認めてもらえないか……と。  だが魔法戦士団のがま口は鉄壁の守りでこの屁理屈を締めだした。公的な活動とはいえない、対費用効果が明確でない、云々……。
 なおも食い下がろうとする私を、副団長は強烈なカウンターパンチで迎え撃った。

「言いたくはないが、貴公の申請には前々から曖昧な所が多くてな。経理からも苦情が来ているのだ。例えば竜界探索の際のこの領収書だが……」

 以下、帳簿を片手に根掘り葉掘りの詰問が始まる。副団長の眼はどんぶり勘定を許さない。防戦一方。冷や汗をかきつつサロンを後にした私である。もはや自力で稼ぐしか道は残されていないのだ。

 かくして静謐なる竹林にえもの呼びの咆哮がこだまする。盗賊が次々と商談にかかり、ニャルベルトは雑談する。
 竹林の奥からボストロールが、不思議そうな顔でその光景を眺めていた。
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