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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2018-09-01 21:32:53.0 2018-09-05 20:50:27.0テーマ:その他

オーグリード大陸探索記(8)【注:ver4.2のネタバレを含みます】

 戦いの火が燃える。神秘的な闇の中、佇む仙女を取り囲むように配置された四つの門が、禍々しくも美しい炎を燃え上がらせていた。
 ゾンガロンの時代から1300年、ランドンは常に戦火の中心にあった。
 偽りの太陽の時代には勇気ある若者がこの地よりレイダメテス要塞へと飛翔し、冥王との戦いも、それを再現するが如くこのランドンから始まった。
 ガートラント建国の時代、聖騎士ガラテアが魔祖の眷属を封じたのもまたこの地である。
 そしてさらに遡り、神々の時代……邪神と呼ばれた者達をガズバラン神が迎え撃ち、打ち倒したのもまた、このランドン山脈だった。

 我々は今、その封印の地へと足を踏み入れた。
 ランドンの黒い穴。この世にありてこの世ならざる場所。ガズバラン神が打ち倒した邪神を封ずるための神殿であり、その眷属との戦いの場でもある。
 戦士たちはこの地で戦いを演じ、封印の力とする。四方の門が放つ炎がそれだ。私も幾度か、その戦いに身を投じたことがある。
 だが今日、ここを訪れたのは邪神と闘うためではない。

 揺らめく戦火の中に浮かび上がる艶やかなルージュ……。魔封剣姫の名で呼ばれる神殿の守り人が、我々の目当てだった。
 ゲルト伝説におけるランドンの仙女とは彼女のことなのか。だとすればゾンガロン時代の事情を聞き出すこともできるのではないか……。
 エリガンは恭しく一礼すると名を名乗り、インタビューを開始した。  剣姫、または仙女殿は多くを語らなかった。元より自分のことを語ろうとしない人物である。人物、と呼んでよいのかどうかもわからぬ。人外の理に身を捧げた存在だ。
 だがエリガンがゲルト民族の名を口にした時、その目元が微かに緩むのを私は見た。
 そして彼がオルセコ王国の子孫であると名乗った時、それは細く強く、そして深い色の光を灯した。
 エリガンはインタビューを中断した。せざるを得なかった。何か圧倒的な、抗いがたい空気が彼に向けて押し寄せるのが分かった。

「失われた時を求める者よ」

 神殿の守り人は静かに、幼子に語り聞かせるようにその紅を揺らした。エリガンは動けない。歴史を照らす戦いの炎が、エリガンの影を揺らした。

「時は既に組み替えられた。お前自身を巻き込みながら。……そう、螺旋を描いて」 
「俺が……何だって?」

 エリガンはたじろぎ、一歩後ろに下がった。そのはずだった。だが剣姫との距離は開かぬ。剣姫殿は一歩も動いてはいない。
 説明のつかぬ非現実的な景色……そしてそのやり取りを見つめる我々は、まるで金縛りにでもかかったように身動きも取れず、傍観者に徹するのみだった。

「ゾンガロンの時代……オルセコには二人の王子がいた」
「そ、それは知ってるが……」
「面影がある。微かに」

 守り人はエリガンのがっしりとした肩を撫で、無骨ながら気品ある瞳を見つめた。彼女がその奥に誰を見たのか。私にはわからなかった。

「時は流れ、全ては色あせ、やがて消える。人はその残骸をかき集め、抱きしめる」  魔封剣姫は複雑な表情を浮かべ、エリガンの肩に置いた手に力を込めた。

「……だが、銀色の箱が、灰色に横たわる時を色鮮やかに蘇らせた。今や歴史は廻り戻り、螺旋を描く潮流。オルセコの子よ、お前もまた、その渦中にあるのだ」
「わ、わからない」

 エリガンは懸命に首を振った。

「一介の考古学者にすぎない俺に、そんな大それた話……」
「……人とは滑稽なものだ。歴史を語り、探り、求めながら、己自身が歴史の一部であることを知らぬ」

 憐憫の微笑が守り人の唇を濡らした。そして救いを求めるように視線を泳がすエリガンに対し、彼女もまた首を振るのだった。

「円環は不変なる軌道を巡るもの。螺旋は同じ場所を二度と通らぬ。お前はその一地点。全き円を歪め、螺旋へと変じた時、お前もまた……」

 剣姫は瞳を閉じ。肩に触れた手をそっと放した。

「……鍵はすでに受け継がれ、運命の扉は開かれた」
「一体、何を……?」
「全ては結果……今という時に流れ着いた潮流。その源を追い求めても、もはや届かぬ……。お前はお前の未来を築いてみせよ」

 それで話は終わりだった。エリガンも我々も、それ以上の言葉を発することすらできずに闇の外側、この空間とアストルティア世界を結びつける洞窟の中へと引き戻されていた。
 微かな祈りの声だけが、吹雪の音に混ざった。

「オーグリードの未来に、光あらんことを……」
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