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フォースマエストロ

ミラージュ

[ミラージュ]

キャラID
: DX235-898
種 族
: ウェディ
性 別
: 男
職 業
: 魔法戦士
レベル
: 133

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ミラージュの冒険日誌

2019-01-14 17:54:22.0 テーマ:その他

記録員Mの手記・ツスクル編 ~ なりきり冒険日誌

 魔女たちが唱えるルーラの声も高らかに、今日も今日とて戦地へ飛び立つ防衛軍。
 魔物の群れを勇ましく迎え撃つその姿は、冒険者の花形と言っていいだろう。
 だが彼らの華々しい戦いの陰に、裏方たちの地道な努力があるのをご存じだろうか。
 光があれば影もある。今回はアストルティア防衛軍所属の記録員Mとして、ツスクル方面軍の裏方事情を紹介させて頂こう。  夜空に浮かぶ見事な月。それを彩る古木の深緑。趣深い木造建築には、いかにもエルトナらしい質素な、しかし威厳ある伝統的な装飾が凝らされている。
 ツスクルは古くから続く学問の里だ。現代においてもカミハルムイのニコロイ王やアズランの領主タケトラなど、多くの名士を輩出している。自然、道往く人々にも知的な空気が備わり、無学な私などには、少々近寄りがたい雰囲気である。
 この里が魔軍の標的となったことが判明したのはおよそ半年ほど前のことだ。我々は獅子門での経験を活かし、早速ツスクルに防衛軍支部を設立した。
 しかし、ここからが問題だった。

「学問の里に、大砲ですか……」

 師イズヤノイは渋面を作った。  伝統を重んじるエルフの学者たちにとって、古い学び舎を戦闘基地に作り変えることはかなりの抵抗があったのだ。
 ものものしい砲台に囲まれた学舎ではおちおち講義もできぬ、というわけだ。まあ、確かに大砲に囲まれて授業を受ける子供たちの姿は想像したくない。
 一部の学徒……主に幼い男子……には、かなり好評だったが……。

 数多くの名士を輩出したツスクルの影響力は想像以上に大きい。彼らの意見を押しのけての強行は国際問題に発展しかねなかった。
 が、背に腹は代えられぬ。
 我々は王都に働きかけ、ニコロイ王経由で学者たちを説得、なんとか設置を許可してもらった。
 ただし砲台は可動式とし、敵襲に合わせて設置、それ以外の時は学徒の目につかない場所に保管するという条件付きだ。
 そういうわけで、ツスクルの常駐メンバーは襲撃のたびに重労働を強いられることとなった。主に魔法戦士団の新入り団員がこの作業に宛てられる。おかげで根気の無い団員が「思っていた仕事と違った」と呟いて早々に退職するという、割と深刻な問題が起きていたりもするのだが……。理想と現実は簡単には一致しないものである。

 問題はこれで終わりではない。
 物見の兵が敵の接近を確認。防衛軍、いざ出撃……となった時、何よりも迅速に行わねばならないのは、住民の避難である。
 その点は獅子門でも同じなのだが、宿場町の獅子門とは規模が違う。まして住民の大半は大半が学問を修めに……あるいは学歴という箔をつけに……王都からやってきた貴族の子女、将来有望な名家の跡取り達なのだ。

「彼らの身体に傷一つついたら、どこから苦情が舞い込むか……」

 副団長……もとい交換員Y氏は眉間に皺を寄せて俯く。避難誘導員の責任は重大だ。
 にも関わらず……もう一度言う。住民の大半は生徒たち。つまり、子供たちなのだ。 「あんな魔物なんて、オイラのブーメランにかかれば一網打尽だぜ!」
「この前習った呪文、試してみてもいい?」

 ……警護の兵は外からの侵入は勿論、内からの脱走にも気を払わねばならない。……ここだけの話、そちらの方が主任務である。
 もし、諸君らが防衛軍に参加した時、どこからともなく小型のブーメランが飛んできたなら。
 ……その時は、見なかったことにしてほしい。

 敵を誘導してツスクル平野で決戦を挑む案も出たのだが、ここを襲う敵のほとんどが実体を持たないアンデッド・モンスターである。堀も塀も役には立たない。彼らが巫女殿の社を目指している以上、村を戦場にする他は無かった。

「それにしても、何故奴らは巫女殿をつけ狙うのか」

 それがわかれば、不死の軍団にも少しは対処できるだろうに。
 ……不死の軍団。……不死。
 私の脳裏に閃くものがあった。
 かつて巫女殿は、世界樹の花を守る使命を授かったという。命を司る世界樹の花を。

「もしや、あの死者達は、花が持つ力に引き寄せられて……?」
「確かに辻褄が合いますな。しかし……」

 私の仮説を、師イズヤノイは穏やかに諭した。

「辻褄の合う仮説などいくらでも思いつくもの。証明できなければただのこじつけに過ぎません」

 ……正論である。
 もっとも、証明のための論文を書いている暇は私にはない。
 警鐘が鳴り響く。幽玄なる月が学問の里を照らす。月光に誘われ、百鬼夜行が始まるだろう。

 駐留軍が慌ただしく動き出した。避難誘導員が生徒を引き連れて地下室に向かい、新米達が大砲を用意する。補給員は物資を確認。今日も今日とて、裏方の奮闘が始まる。

 華々しく戦う者たちの裏側で……
 これは防衛軍における、もう一つの物語である。
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